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第125回学術集会(平成25年6月15日(土),16日(日))

【若手ポスターセッション2】
受刑中の出産について


多田 和美, 渡辺 博, 西川 正能, 大島 教子, 深澤 一雄
獨協医科大学産婦人科


 女子収容施設(刑務所・刑務支所)は全国に8ヶ所あり,日本最大の規模を有する施設に受刑している出産の管理を当院で行っている.当院では受診時に研究協力について説明・承諾を頂いている.2000年から2012年までに当院で出産した74妊娠を対象とした.対象の中には,2回受刑中に出産した妊婦が2人もいた.妊娠中の管理は,刑務所内で行っているが,当院の通院は1〜2回の受診で血液検査等を行っている.日本人は65人であり,年齢は30.5歳(21〜42歳),初産は21人で経産回数の平均は1.6回(1〜5回)であった.母体合併症は,HCV陽性30人,クラミジア抗原陽性5人,HBV陽性2人,細胞診異常3人,不規則抗体陽性2人,精神疾患2人,喘息・Rh陰性・重症貧血各1人であった.妊娠中の合併症として,GDMは2人,PIHは2人であった.分娩週数は38.9週(36〜42週)で,分娩方法は経膣分娩が64人・帝王切開が10人でこのうち2人が緊急であった.出血量は461ml(70〜2303ml)で輸血を行ったのは1人であった.出生体重は3021g±46.2gでNICU入室は2名,IUFDは1名であった.刑務所内では出産後1年間は刑務所内での育児が認められている.しかし刑務所内の過剰収容により,現状ではほとんどの児が直接当院より乳児院へ収容となっている.予定帝切以外は,陣痛開始後当院に入院となり,分娩中も帝切中も基本は刑務官が2名付き添っている.分娩後はほとんどが数時間で退院し,刑務所内での管理を行っている.刑務所に入所中のため規則的な生活ができており,妊娠中や分娩時に大きな問題は認められていない.しかし,ほとんどの児が乳児院へ入所となっているためHCV・HBV感染の管理や養育が今後の問題点と考えられた.


関東連合産科婦人科学会誌, 50(2) 312-312, 2013


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