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第125回学術集会(平成25年6月15日(土),16日(日))

【若手ポスターセッション4】
妊娠を契機に発見された胃原発平滑筋肉腫の1例


瀬戸 さち恵1, 三木 明徳1, 栃木 秀乃1, 木村 真智子1, 菊地 真理子1, 難波 聡1, 板倉 敦夫1, 石原 理1, 浅野 博2
埼玉医科大学病院産婦人科1, 埼玉医科大学病院消化器外科2


【緒言】妊娠中期の持続する悪阻症状を契機に胃原発平滑筋肉腫が診断され,開腹胃摘出術を行い,正常分娩に至った症例を経験したので報告する.【症例】症例は33歳の未経妊婦.つわりがいったん軽快した後,妊娠18週より嘔吐や心窩部痛が再度出現した.症状が持続増悪したため当院に紹介され,妊娠21週で上部消化管内視鏡を施行したところ,直径7cmのBormann I型腫瘍が認められ,病理検査より平滑筋肉腫が疑われた.胸腹部CTにて転移巣や壁外進展を認めないことから,妊娠23週に開腹胃部分切除を施行した.摘出標本は免疫染色でc-kit陰性,S-100陰性,α-SMA陽性であり,MIB-1 index高値のため平滑筋肉腫と診断した.切除断端陰性のため術後追加療法は行わなかった.その後の妊娠経過に異常なく,妊娠40週5日自然陣痛発来後に正常経腟分娩し,産褥および新生児は経過良好であった.現在まで術後1年を経過しているが,再発徴候を認めていない.【考察】妊娠中に発見される消化管の平滑筋肉腫は極めて稀であり,GISTを含めても,世界で数件の報告があるにすぎない.一方妊娠合併胃癌は発見が遅れることが多く,予後不良とされている.症例を集積した総説によると,胃切除手術は43%のみに施行されており,適応例でも妊娠後期では帝王切開が先行されている.また妊娠初期での腹腔鏡下胆嚢摘出術の報告は多数あるが,腹腔鏡下胃切除の報告はない.本例の治療方針は22週に決定したため,妊娠継続のまま開腹胃切除を行ったが,幸い治癒切除が可能であった.【結語】妊娠中の胃悪性腫瘍に対する治療は,腫瘍の状態や妊娠時期を勘案して,インフォームドコンセントを行い選択されるべきであると考えた.


関東連合産科婦人科学会誌, 50(2) 316-316, 2013


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