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第125回学術集会(平成25年6月15日(土),16日(日))

【若手ポスターセッション4】
妊娠中に診断され管理に難渋した再生不良性貧血合併妊娠の1例


福田 晋也, 入山 高行, 永松 健, 矢部 慎一郎, 堀越 嗣博, 兵藤 博信, 山下 隆博, 亀井 良政, 藤井 知行, 上妻 志郎
東京大学産婦人科


 妊娠中に発症した再生不良性貧血の報告は少なく,管理方針は確立していない.実際母体管理は容易でなく文献上も生命予後は決して良いものではない.今回,我々は妊娠中に再生不良性貧血stage3と診断され,頻回の濃厚赤血球(MAP)・濃厚血小板(PC)輸血による管理を試みた症例を経験したので報告する.39歳0経妊0経産.妊娠12週に血小板減少(4.7万/μL)及び出血傾向を認め,特発性血小板減少性紫斑病と診断された.ステロイド内服を開始するも無効で妊娠16週に当科紹介となった.17週よりガンマグロブリン大量療法を施行するも反応乏しく汎血球減少(WBC 2000/μl,好中球1000/μl,Hb 7.0g/dl,PLT 1万/μl程度)を認めた.18週の骨髄穿刺・MRI等にて再生不良性貧血stage2と診断,21週よりgrade3に進行.妊娠継続のリスクから人工妊娠中絶も考慮したが患者本人の希望により妊娠継続となった.シクロスポリン・抗胸腺細胞免疫グロブリン療法は効果発現が遅く,また易感染状態になりやすい点を考慮し採用しなかった.PC 10単位を週3回,MAP 2単位を週1回輸血しPLT 1万/μl,Hb 7g/dlを維持した.しかし29週に血小板輸血不応症を呈し,HLA適合血小板の使用を開始した.緊急出血した場合には輸血準備が困難であると判断し妊娠30週1日全身麻酔下に緊急帝王切開術を施行した.なお術前にPC計320単位,HLA適合血小板計35単位,MAP計26単位を輸血した.術中出血量1680ml(羊水込み),男児,1495g.術後持続する不正性器出血を認めたため緊急両側子宮動脈塞栓術を施行し止血に成功,術後21日目に退院した.妊娠12週で発見され,薬物療法が無効のため頻回の輸血療法を行い妊娠30週まで継続できたものの血小板輸血不応症を呈しterminationせざるを得なかった症例を経験した.


関東連合産科婦人科学会誌, 50(2) 317-317, 2013


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