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第125回学術集会(平成25年6月15日(土),16日(日))
【若手ポスターセッション4】
再生不良性貧血合併妊娠の1例
小野 理貴, 小島 淳哉, 大村 涼子, 嶋田 秀仁, 新村 朋美, 芥川 修, 寺内 文敏, 井坂 惠一
東京医科大学産婦人科
再生不良性貧血は骨髄低形成による汎血球減少症であり,主症状として貧血に加え,血小板減少による出血傾向と白血球減少による感染症の併発がある.妊娠に合併した場合は,厳重に管理されなければ母子ともに予後不良である.今回我々は,輸血療法を行いつつ厳重な管理のもと帝王切開にて分娩に至った1例を報告する.【症例】年齢:31歳,妊娠歴:0経妊0経産,既往歴:尿路結石(19歳),家族歴:特記事項なし【現病歴】2012年4月を最終月経として自然妊娠成立.前医にて分娩予定日を2013年2月とし,健診を受けていた.7月,妊娠初期検査にて貧血及び血小板低下を認め,同月精査・加療目的にて紹介受診となった.当院での血液検査所見でも低値であり,血液内科に相談し,骨髄穿刺,MRIを施行し再生不良性貧血の診断.重症度分類ではstage3であった.本人との相談の結果,妊娠を継続し分娩後に治療を開始する方針とした.妊娠中は適宜血液検査をし,輸血を施行.一方で児の発育に関しては問題なく,分娩方法に関しては本人・血液内科と協議の結果帝王切開での分娩となった.2013年1月,妊娠36週6日に帝王切開目的にて入院.入院後連日血小板を輸血.妊娠37週3日,当院麻酔科と相談の上,脊椎麻酔下で帝王切開術を施行.3080g,男児,Apgar score 8/8(1分値/5分値)の児を娩出した.術中出血量は603ccであり,術中に濃厚赤血球を6単位輸血した.術後経過は問題なく,手術翌日に血小板10単位輸血し,経過良好にて7日目に退院となった.
関東連合産科婦人科学会誌, 50(2)
317-317, 2013
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