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<< 学会誌へ戻る 【緒言】EICは，エストロゲンに依存しない子宮内膜癌で，漿液性腺癌の前駆病変とされ，内膜間質への浸潤を欠いたまま，子宮外へ進展する特徴が指摘されている．今回，我々は深部子宮内膜症の癌化か，EICの転移病巣かの判断に苦慮した症例を経験した．【症例】67歳，2経妊2経産，健診でCA125；116 U/mlを指摘，当科を受診した．MRIでは子宮左背側に径28mmの充実性腫瘤を認め，後腹膜腫瘍が疑われた．同時に，下血のため受診した外科で，横行結腸癌を指摘され，外科の手術時に，後腹膜腫瘍もあわせて摘出された．この腫瘍は直腸筋層外側に存在し，結腸癌とは別な類内膜腺癌と診断され，一部に内膜症組織も認めた．その後，子宮内膜細胞診がClass 4であったため，内膜組織検査や画像検査で内膜癌の所見はあきらかではなかったが，あらためて，子宮全摘術・両側付属器切除術・左骨盤リンパ節廓清を施行した．子宮内膜には，肉眼的病変を認めず，病理検査で，漿液性腺癌に類似した浸潤像のない異型上皮の微小増殖を認め，EICと診断した．EICと後腹膜病巣の免疫染色では，CA125陽性，ER（±），PR（-），p53（+）が一致し，類似組織と考えられるが，転移経路が不明で，最終的に，深部子宮内膜症の癌化と判断した．術後TC療法を6コース施行し，現在まで再発を認めていない．【結語】EICは通常の子宮内膜癌と異なり，内膜肥厚や腫瘤像などの画像所見を欠く限局された病変で，診断が難しい場合が多く，また，子宮外への早期の播種も報告されている．本症例では，深部子宮内膜症の癌化を契機にEICを診断し得たが，同時にEICの転移との鑑別に苦慮した．EICの特徴的進展様式を考慮し，さらなる症例の集積が必要と考える． 関東連合産科婦人科学会誌, 50(2) 320-320, 2013 |
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