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第125回学術集会(平成25年6月15日(土),16日(日))

【若手ポスターセッション5】
子宮内膜症由来の卵巣原発扁平上皮癌の一例


島田 佳苗, 廣瀬 佑輔, 武田 豊明, 大瀬 寛子, 杉山 将樹, 西 健, 安藤 智, 板垣 智昭, 満川 元一
水戸赤十字病院産婦人科


 卵巣悪性腫瘍の中で卵巣原発扁平上皮癌は,極めて稀で予後不良な腫瘍である.今回我々は,子宮内膜症由来の扁平上皮癌の一例を経験したので文献的考察を加えて報告する.症例は42歳,1回経妊1回経産.月経歴・既往歴に特記すべきことなし.前医より卵巣腫瘍のため当院紹介となる.超音波上10cm大のcystic massで一部に充実成分を認めた.腫瘍マーカーは,CA125:47.4U/ml,CA19-9:13.9U/ml,AFP:1.7ng/dl,CEA:1.2ng/dlであった.骨盤内MRI検査では右卵巣に10cm大の嚢胞性腫瘍,T1強調像でhigh intensity,一部充実成分を認め,卵巣癌を疑い開腹手術を施行した.腫瘍は骨盤内に浸潤しており,術中破綻を認めた.術中迅速診断で扁平上皮癌を認め,腫瘍マーカーSCCを追加検索したところ10.8ng/mlと高値を示した.子宮全摘,両側付属器切除,骨盤内リンパ節郭清,大網切除術を施行,optimal operationであった.術後病理組織診断は子宮内膜症由来の扁平上皮癌,pT2cN0M0であった.術後化学療法としてdosedenseTC療法を6コース施行するも,腫瘍マーカーの上昇,MRI検査で骨盤内に10cm大の再発病変・腹腔内播種像を認めた.セカンドラインとしてNDP-CPT11療法3コース施行し,腫瘍マーカーの低下と腫瘍縮小を認めた.卵巣原発扁平上皮癌は稀な疾患であり,薬剤抵抗性として知られている.報告によれば放射線療法や化学療法としてDC療法が散見されるが有効な治療法が確立されていない.今後有効な後療法の検討・確立が望まれる.


関東連合産科婦人科学会誌, 50(2) 320-320, 2013


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