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第125回学術集会(平成25年6月15日(土),16日(日))

【若手ポスターセッション5】
集学的治療が奏効した進行成熟嚢胞性奇形腫悪性転化の1例


朝見 友香, 近藤 一成, 喜多川 亮, 鈴木 美奈子, 佐藤 歩美, 上野山 麻水, 佐藤 奈加子, 忠内 薫, 杉田 匡聡, 角田 肇
NTT東日本関東病院産婦人科


 成熟嚢胞性奇形腫(MCT)の悪性転化は約1-2%程度と稀である.初回手術で腫瘍が残存した場合の予後は極めて悪く,有効な化学療法レジメンも確立されていない.今回我々は初回手術では腫瘍が残存したもののPaclitaxel+Carboplatin(TC)療法が奏効し再手術にて腫瘍を完全摘出できたMCT悪性転化の1例を経験したので報告する.  症例は67歳0経妊0経産.下腹部痛,腹部膨満感を主訴に当院初診.腫瘍マーカーはSCCが25.9ng/mlと高値.CT・MRIでは,造影効果を示す壁肥厚を伴った,内部に脂肪成分を含む嚢胞性腫瘤を認めた.また,腹腔内に脂肪を含む腹水があり,びまん性の腹膜肥厚を呈していたため,MCT悪性転化の自然破裂によるchemical peritonitisを来たしていると判断し,緊急手術を施行した.開腹所見は,腹腔内に大量の脂肪液が充満し,左卵巣腫瘍は破綻していて,小腸・S状結腸・後腹膜と強固に癒着していたため腫瘍の一部が残存した.S状結腸浸潤による早期のイレウスが予想されたため同時に人工肛門を造設した.術後TC療法を4コース行いPRとなったため,Interval debulking surgery(IDS)を施行した.腹腔内残存腫瘍は縮小しており,小腸部分切除と尿管及びS状結腸周囲の腫瘤を摘出し完全切除した.術後補助療法としてTC療法を4コース追加し,術後1年間無再発生存で外来経過観察中である.  進行したMCT悪性転化症例は治療抵抗性で極めて予後不良とされる一方で,本症例のように手術と化学療法の集学的な治療が奏効した症例報告も散見される.化学療法については,タキサン製剤とプラチナ製剤の併用療法の有効性が示唆された.


関東連合産科婦人科学会誌, 50(2) 321-321, 2013


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