 |
|
  |
|
         
|
<< 学会誌へ戻る 【緒言】帝王切開筋層縫合部に留血腫を生じ月経困難症を合併した例を経験したので報告する．【症例】症例は29歳3回帝王切開の既往がある．最後の帝王切開から2年後に，月経困難を訴え近医を受診し，子宮留血腫の診断にて頸管拡張を数回行うも改善しないとのことで当科を紹介受診した．毎回月経の途中で出血が止まり，疼痛が出現するが，強くなった頃に出血が再開し，改善しているとのことであった．骨盤MRIを施行したところ，内子宮口の狭窄，子宮峡部から頸部前壁内に子宮体部の内腔から連続する血液の貯留を認めた．帝王切開の子宮筋層切開部に侵入した異所性内膜あるいは，その部にできた盲端腔への血液の貯留が反復することにより月経困難を生じているものと思われた．偽閉経療法を6コース行ったところ，この間は症状が改善し，治療終了後に月経が再開したときにはやはり同様の症状を認めた．患者と治療方針を相談の上，腹式単純子宮全摘術を施行．摘出子宮の前壁に割を入れて観察したところ，頸管の前方に体部内腔に連続する偽腔が形成されており，ここから黒色の血液の流出を認めた．病理組織診断では同部位は頸管上皮に被覆されていた．術後経過は良好で症状の再発を認めていない．【考察】帝王切開後の月経困難症例において，筋層切開部への血液の貯留によることがある．このような症例に対し，腹腔鏡手術による治療報告が散見されるが，今回は子宮摘出を行ったことにより，断面の肉眼的評価を行うことができた．標本を供覧し若干の考察を加え報告する． 関東連合産科婦人科学会誌, 50(2) 322-322, 2013 |
||
|
一般社団法人関東連合産科婦人科学会事務局 〒102-0083 東京都千代田区麹町4-7 麹町パークサイドビル402 株)MAコンベンションコンサルティング内 TEL：03-3288-0993 FAX：03-5275-1192 E-mail：kantorengo@jsog-k.jp Copyright (C) 一般社団法人関東連合産科婦人科学会 |