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第125回学術集会(平成25年6月15日(土),16日(日))

【若手ポスターセッション6】
原発不明卵巣印環細胞癌の1症例


平岡 毅大, 松本 陽子, 織田 克利, 宮本 雄一郎, 佐藤 英貴, 三浦 紫保, 長阪 一憲, 有本 貴英, 川名 敬, 藤井 知行, 上妻 志郎
東京大学産婦人科


【緒言】卵巣における印環細胞癌の多くは胃癌などの消化器癌からの転移性腫瘍,すなわちKrukenberg腫瘍である.今回我々は卵巣以外に原発巣が同定されない卵巣印環細胞癌の症例を経験したので報告する. 【症例】46歳3経妊2経産.既往歴,合併症,家族歴に特記事項なし.腹部膨満感を主訴に前医を受診し,単純CT,MRIにて径10cm大の両側充実性卵巣腫瘍と多量の腹水,腹膜播種を認め,卵巣癌の疑いにて当科紹介受診となった.血清腫瘍マーカー値はCA125が545U/mlと高値を示した.有意なリンパ節転移や遠隔転移を認めなかった.FDG-PETでは両側卵巣に軽度集積亢進を認めたが,その他消化管などに明らかな異常集積なし.上部・下部消化管内視鏡検査では異常所見を指摘されず,穿刺腹水細胞診の結果はclass5,腺癌であった.卵巣癌と診断し開腹手術を施行,術中所見で両側充実性卵巣腫瘍と腹膜播種を認めた.術中迅速組織診の結果は印環細胞癌であったが,消化管に原発を疑う所見を認めなかった.可及的に両側付属器切除術を行い手術終了とした.術後病理診断でも印環細胞癌であったが,再度施行した上部・下部消化管内視鏡検査でも異常を認めなかった.原発不明卵巣印環細胞癌と診断し,術後TP療法(paclitaxel+cisplatin)を4コース施行し,CTにて残存腫瘍の増悪を認めておらず,手術療法を含めて今後も加療予定である. 【考察】卵巣以外に原発巣が同定されない卵巣印環細胞癌の1例を経験した.卵巣原発印環細胞癌は文献報告も数例と非常に稀であり,今後も定期的な全身検索を治療と並行して行う予定である.


関東連合産科婦人科学会誌, 50(2) 324-324, 2013


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