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第125回学術集会(平成25年6月15日(土),16日(日))

【若手ポスターセッション7】
Fitz-Hugh-Curtis症候群に特徴的なViolin-strings状の癒着を認めたRokitansky-Küster-Hauser症候群の一例


氏平 由紀, 齊藤 寿一郎, 菊地 盤
順天堂大学医学部附属順天堂東京江東高齢者医療センター婦人科


【緒言】Fitz-Hugh-Curtis症候群(FHCS)は,淋菌やクラミジアの骨盤内感染症から続発的に発症する腹腔内感染による肝周囲炎として知られている.肝表面と壁側腹膜との線維性癒着(Violin-strings adhesions)や卵管周囲癒着が後遺症として残存するため,婦人科疾患や不妊症の原因検索における腹腔鏡手術時にFHCSの既往を疑う所見を認めることがある.今回我々は卵巣腫瘍に対する腹腔鏡下手術中にFHCSが疑われたRokitansky-Küster-Hauser症候群(RKHS)の症例を経験したので報告する.【症例】73歳,20代で腟欠損を指摘されたが造腟術の既往なし.健診で卵巣腫瘍を指摘され腹腔鏡下手術の方針となった.腟は欠損しており,術中所見として子宮は索状,卵管は正常で右側に卵巣腫瘍を認めたが付属器周囲に癒着等は認めなかった.上腹部を観察すると肝表面にViolin-string状の癒着を認めたが,その他腹腔内に腸管癒着や胆嚢炎の既往を示唆する癒着等は認めなかった.手術はSILSでリガシュアTMを用いて両側付属器切除術を行い,病理学的検査は良性のdermoid cystであった.採血上Chlamydia trachomatisの抗体はIgA,IgGともに陰性であった.【考察】RKHSは解剖学的に腟が盲端であるため,性行為感染症がもたらす炎症が腹腔内へ播種することは通常考え難く,RKHSにFHCSを合併した症例報告は文献的にも認めないため,FHCSに関する文献的考察を加え報告する.


関東連合産科婦人科学会誌, 50(2) 327-327, 2013


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