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第125回学術集会(平成25年6月15日(土),16日(日))

【若手ポスターセッション7】
両側卵巣嚢腫で紹介となった性器結核既往の1例


永田 瑞穂, 永石 匡司, 前林 亜紀, 山本 範子, 大西 美也子, 宮川 康司, 山本 樹生
日本大学産婦人科


【はじめに】本邦における結核の頻度はあまり高くないが,散発的な流行も報告されている.現在子宮内膜結核症例に遭遇することは大変まれである.今回,両側卵巣嚢腫を指摘され,手術目的に当院紹介受診となった性器結核既往症例を経験したので報告する. 【症例】中国人,26歳.結婚24歳,0回経妊.既往歴として21歳時に中国で両側付属器腫瘍に対して腹腔鏡下腫瘍摘出術をうけている.子宮内膜病理結果から結核性肉芽腫が認められ,抗酸菌染色陽性だったため,子宮内膜結核の診断となり術後約1年間薬物療法をうけている.現病歴は約1年前に稀発月経を主訴に他院を受診し,このとき両側卵巣嚢腫を指摘されていた.今回は手術目的に当院に紹介された.初診時の経腟超音波検査では子宮の頭側に92.8×50.5×73.5mm大と35.7×29.1×36.2mm大の嚢胞性腫瘤を認めた.性器結核の既往があるため子宮卵管造影検査を施行したところ,子宮内腔および両側の卵管はほとんど描出されなかった.子宮内膜の抗酸菌DNAは陰性,ガフキー0号であった.活動性の結核症を認めなかったため腹腔鏡下両側卵巣嚢腫摘出術・子宮鏡下子宮内腔癒着剥離術を施行した.両側付属器領域と肝臓は強固に癒着していた.病理診断は右漿液性嚢胞性腺腫と左黄体嚢胞であり肉芽腫性病変や悪性を示唆する所見は認められなかった.術後経過は良好で,術後4日目に退院した.現在は外来でエストロゲン・プロゲスチン合剤投与にて周期的に消退出血をおこし,子宮内膜の再生をはかっている.


関東連合産科婦人科学会誌, 50(2) 329-329, 2013


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