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第125回学術集会(平成25年6月15日(土),16日(日))

【一般演題】
骨盤臓器脱修復手術前後の尿道長の変化


松本 譲二1, 岡垣 竜吾2, 高橋 通3, 永田 一郎2
小川赤十字病院産婦人科1, 埼玉医科大学産婦人科2, 熊谷総合病院産婦人科3


【目的】骨盤臓器脱修復手術後における新たな腹圧性尿失禁の原因の一端を探る目的で手術前後の尿道長がどう変化するか検討した.【方法】29例の骨盤臓器脱修復手術前後にパッドテスト,Q-tipテストを行い,同時に尿道長,膀胱壁の厚さを超音波で測定した.検査は生理食塩水200mlを膀胱内に注入して同じ条件下に行った.手術はTVMが主体であり,腟式子宮摘出,仙骨子宮靭帯固定,腹式仙骨固定(1例のみ)を含む.記載はすべてPOP-Qに基づく.【成績】平均年齢は67.5才(46-76才),術後の尿道長は3.5cmから4.2cmへと長くなった(P<0.0001).またstageは3.6から0.3へと著明に改善した(P<0.0001).手術前後でパッドテスト,残尿量に変化は見られなかったが,Q-tipテストは改善した(P<0.03).また膀胱壁は厚くなった(P<0.0001).術前の尿道長はPOP-Qの9個の測定値,残尿量,stage,年令との関係は見られなかったが,術後では上述したすべての項目のうち,術後の尿道長とポイントDまでの長さ(r=0.57,P=0.0013),腟の長さ(r=0.58,P=0.0009)とに相関を認めた.【結論】骨盤臓器脱修復手術前後ではPOP-Qの9個の測定値すべてが有意に変化しており,この変化からはどの要素が尿道長を長くしたかは結論がでない.しかしポイントDは仙骨子宮靭帯が子宮頚部に付着するところで,腟の長さを維持しており,術後の修復後に尿道長との関係が認められたことを考えると,本来の解剖学的な関係を示している可能性がある.


関東連合産科婦人科学会誌, 50(2) 335-335, 2013


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