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第125回学術集会(平成25年6月15日(土),16日(日))
【一般演題】
前回の子宮内胎児死亡時と同様,妊娠中に高尿酸血症を呈した高度の痩せ妊婦の一症例
木内 香織, 渡辺 博, 多田 和美, 西川 正能, 大島 教子, 深澤 一雄
獨協医科大学産婦人科
症例は37歳,2経妊1経産 身長150cm非妊時体重33.4kg(BMI 14.8)妊娠33週 子宮内胎児死亡(剖検結果は臍帯静脈血栓症)の既往がある患者.高度の痩せのため当院精神科の受診歴と,低カリウム血症のため当院内分泌代謝内科に通院中である.不妊外来通院中の自然妊娠で第二子を妊娠後,当科にて妊婦健診を受診していた.胎児発育は順調であったが,妊娠32週4日 定期健診で頸管長1.8cmの短縮と子宮口2cm開大をみとめ,切迫早産のため同日入院管理となる.入院後は塩酸リトドリン点滴を開始し,その後切迫兆候の増悪なく経過した.しかし,妊娠33週5日のルーチンの採血で尿酸15mg/dl,血小板数11万と,前回子宮内胎児死亡の際の検査結果と酷似した高度の高尿酸血症と,血小板数の低下を認めた.翌日には血小板数は9万8千まで低下したため,緊急帝王切開術を施行した.児は1966g(AFD)男児,Apgar score 9/10 UApH7.293であり,早産・低出生体重児のためNICUに入室となったが出生後の経過は順調である.母親の血小板数は術後7万まで低下したが,その後は尿酸値とともに徐々に改善傾向をみとめた.今回我々は,高度の痩せに前回死産の既往がある妊婦において,前回同様の尿酸値の上昇と血小板低下症を来たした症例を経験した.高尿酸血症はPIHや脱水を伴う場合に出現することがあるが,子宮内胎児死亡との関連を指摘した報告はみられない.前回妊娠中にも同様の母体変化を呈しており,それらの関係性について若干の文献的考察を踏まえ報告する.本発表にあたっては御本人の承諾を得ている.
関東連合産科婦人科学会誌, 50(2)
340-340, 2013
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