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第125回学術集会(平成25年6月15日(土),16日(日))

【一般演題】
小児期の骨盤放射線照射後に自然妊娠し,生児を得た一例


仲尾 岳大, 東 裕福, 佐々木 重胤, 松浦 眞彦, 山本 樹生
日本大学医学部附属板橋病院母体救命対応総合周産期母子医療センター産婦人科


【緒言】小児血液悪性腫瘍に対する抗腫瘍療法としては化学療法や放射線療法が一般的であるが,将来的に妊孕性の低下を招くとされている.特に女性では放射線療法が子宮の発育を障害することで流早産の原因となることが報告されている.今回,流・早産に対する予防・治療し,生児を得た症例を経験したので報告する.【症例】28歳1経妊1経産.4歳時に悪性リンパ腫(大腿部皮膚原発T-cell type)に対してvincristineを中心とした化学療法と原発巣への放射線療法(total 20Gy)が施行されていた.また前回妊娠は他院において妊娠22週3日での早産による新生児死亡であった.自然妊娠後,妊娠4週頃に前医より当院へ紹介となった.子宮は34mmと小型であった.外来で経過観察となっていたが,子宮頚管長の短縮をみとめ13週1日に入院,プロゲステロン剤,その後塩酸リトドリン投与,膣洗浄などを行った.28週5日に子宮頚管長6mmと急激な短縮をみとめ,MgSO4製剤持続点滴の開始に伴いMFICU管理とした.33週3日に陣痛発来し,切迫子宮破裂の疑いにて緊急帝王切開術を施行した.子宮は小型で子宮壁は極めて菲薄であったが,両側付属器には異常を認めなかった.また新生児は2239g,女児,Apgar Score 6点/9点,臍帯動脈血pH 7.30であり,児は同日NICU入院した.母児の経過は良好である.【考察】小児期の骨盤放射線照射は少ない線量であっても,子宮組織の発育を障害することが分かっており,妊娠では流・早産のリスクが増加する.今回,流・早産に対する予防・治療に関し検討し,生児を得た症例を経験したので文献的考察を加えて報告した.


関東連合産科婦人科学会誌, 50(2) 342-342, 2013


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