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第125回学術集会(平成25年6月15日(土),16日(日))

【一般演題】
妊娠中に発症したイレウスの二例


安達 麻理, 与那嶺 正行, 阿部 一也, 小池 ひとみ, 長谷川 澄子, 村木 紗知, 疋田 裕美, 丸茂 元三, 山本 幸彦, 大橋 浩文, 石田 友彦
板橋中央総合病院産婦人科


【緒言】妊娠中の腹痛の原因としてイレウスは非常に稀であるが,胎児死亡率が20〜30%,母体死亡率が5〜20%とされており予後は不良である.今回我々は,妊娠中に発症したイレウスのニ例を経験したので報告する.【症例1】36歳女性.手術歴なし.妊娠22週1日,腹痛,嘔吐にて救急要請.MRIでは便秘が原因と考えられたが,症状が強く入院となった.胃管挿入,下剤にて対症的に加療したが,第4病日より症状の増悪を認め,腹部単純X線検査にて,niveauと多量の便塊を認めた.便秘が原因のイレウスと診断し,微温湯で浣腸を施行した.第5病日に再度症状の増悪を認めたため腹部超音波検査を施行したところ,著明な腸管の拡張を認め,胃管のみでは腸管の減圧は困難と判断し,イレウス管を挿入した.以後症状は改善し,経過観察中である.【症例2】39歳女性.24歳で虫垂炎の手術歴あり.妊娠40週3日,陣痛発来にて入院となった.翌日右下腹部の自発痛,著明な圧痛が出現したため腹部超音波検査を施行したところ,圧痛部位に腸管の拡張を認めた.また,腹部単純X線検査にてniveauを認め,イレウスと診断した.腹部造影CT検査にて明らかな腸管の閉塞機転を認めなかったため保存的に加療したが,症状軽快せず,帝王切開,試験開腹の方針とした.右広間膜に索状物を認め,同部に小腸が嵌頓しており,絞扼性イレウスと診断した.索状物を切断,絞扼を解除し手術終了した.母児共に術後経過は良好であった.【結語】本症例は妊娠中に便秘,術後癒着が原因でイレウスを発症したと考えられた.妊娠中のイレウスは予後不良であり,保存的に軽快しないと考えられた場合,速やかに外科的治療を選択すべきであると考えられた.


関東連合産科婦人科学会誌, 50(2) 343-343, 2013


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