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第125回学術集会(平成25年6月15日(土),16日(日))

【一般演題】
診断に苦慮した妊娠中の卵巣嚢腫茎捻転の1例


与那嶺 正行, 安達 麻理, 阿部 一也, 小池 ひとみ, 長谷川 澄子, 村木 紗知, 疋田 裕美, 丸茂 元三, 石田 友彦, 大橋 浩文
板橋中央総合病院産婦人科


 妊娠中の急性腹症は,妊娠による母体の変化や,胎児への配慮などから診断・治療に苦慮することがある.今回,妊娠中に急性膵炎や尿路結石との鑑別に苦慮した卵巣嚢腫茎捻転の1例を経験したため,文献的考察を含めて報告する.【症例】28歳,0経妊0経産.自然妊娠.妊娠初期に前医で径20cmの多房性卵巣嚢腫を指摘されていたが,妊娠20週には径4cmに縮小したため経過観察されていた.妊娠30週4日,下腹部痛を主訴に当院紹介受診.来院時,2〜3分間隔の子宮収縮を認めた.超音波ではダグラス窩に液体貯留や,明らかな胎盤肥厚や血腫は認めなかったが,右腎盂腎杯の拡張を認めた.MRIでは右卵巣に径3.5cmの嚢胞と,右腎盂腎杯〜尿管の拡張を認めた.右尿路結石疑いと切迫早産と診断し塩酸リトドリンを開始.子宮収縮は安定したが疼痛は持続.悪心・嘔吐も出現し血中・尿中アミラーゼの上昇も認め急性膵炎も鑑別にあがった.その後自然にアミラーゼ低下し,疼痛コントロールも良好となったため一旦退院となるも,腹痛増強し再入院.MRIの所見は前回入院時と著変なかった.妊娠36週0日,疼痛コントロール不良で,炎症反応の著明な上昇も認めたため,緊急帝王切開を施行.術中所見として,径7cmの右卵巣嚢腫を認め,卵巣固有靭帯・卵管・骨盤漏斗靭帯を一塊として2回転していた.色調は暗赤色と壊死が疑われ,右付属器切除を行った.児は2,720 gの女児,Apgar score 9/10点.母体は経過良好で術後7日目に退院となった.【結語】今回の症例は,臨床経過より尿路結石や急性膵炎との鑑別が困難で診断に苦慮した.妊娠中に急性腹症を呈する疾患は多く,卵巣嚢腫合併妊娠の取り扱いには細心の注意が必要と思われた.


関東連合産科婦人科学会誌, 50(2) 343-343, 2013


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