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第125回学術集会(平成25年6月15日(土),16日(日))

【一般演題】
当院で1年間に産科危機的出血に対して経カテーテル的動脈塞栓術を施行した6例の検討


久田 裕恵1, 青木 宏明1, 村嶋 麻帆1, 田沼 有希子1, 佐薙 佳世1, 森本 恵爾1, 小曽根 浩一1, 飯田 泰志1, 田部 宏1, 高野 浩邦1, 佐々木 寛1, 岡本 愛光2
東京慈恵会医科大学附属柏病院産婦人科1, 東京慈恵会医科大学附属病院産婦人科2


【背景】産科危機的出血は妊産婦死亡の主要な原因の一つであり,産科危機的出血に対する対応は今もなお重要な課題である.近年,妊孕性の温存だけでなく,その有用性から止血手段として経カテーテル的動脈塞栓術(TAE)が選択されることが多くなっている.当院にて一年間に産科危機的出血に対してTAEを施行した6例について検討した.【方法・成績】期間は2012年2月から2013年1月の1年間である.症例は6例中3例が他院からの搬送症例であった.6例中5例が初産で,分娩方法は経腟分娩3例,帝王切開3例であった.適応は弛緩出血3例(臨床的羊水塞栓2例を含む),前置(低置)胎盤2例,膣壁血腫1例であった.6例のうちバイタルサインでショックインデックスが1を超えていたものは3例,産科DICの指標である血中フィブリノゲンの値が100 mg/dlを下回っていたものは3例であった.輸血は全例に行われており,6例中2例が濃厚赤血球20単位以上,4例が新鮮凍結血漿20単位以上の輸血を要した.6例中5例でTAEにて止血が図れ,子宮温存が可能であったが,1例はTAE施行後も出血が持続したため子宮摘出術施行,その後も出血が続き再度止血にTAEを要した.【結論】産科危機的出血6例に対してTAEを施行した.産科危機的出血に対してのTAEは,産婦人科・放射線科との連携が重要である.今回の6例を通して,TAEが有効な症例,TAEが無効と考えられる症例,TAEを施行するタイミング等について検討する.


関東連合産科婦人科学会誌, 50(2) 345-345, 2013


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