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第125回学術集会(平成25年6月15日(土),16日(日))

【一般演題】
経腟分娩後の深部腟壁血腫に対してIVRを施行し止血された1例


川合 健太, 菊池 卓, 土井 貴之
富士宮市立病院産婦人科


 症例は39歳,1経妊1経産.左卵巣腫瘍摘出術の既往あり.自然妊娠,健診中に胎児口唇裂を指摘されたほか,妊娠経過に特記事項なし.妊娠39週6日1時30分に陣痛発来あり,3時に来院し入院した.急速に分娩進行し,3時44分に3156gの男児(Apgar score 8/8)を自然経腟分娩した.胎盤娩出後より後腟壁の腫大,膨隆に加え,疼痛の増強を認めた.腟壁を切開し,鮮紅色の動脈性出血あり.血圧122/93 mmHg,脈拍数73回/分であり,血液検査ではHb 9.9g/dLで,血液凝固障害を認めなかった.出血部位は右腟壁深部であり,責任血管同定のため腹部骨盤部造影CTを施行した.Douglas窩近傍の腟壁に血腫形成あり.右内腸骨動脈領域に造影剤の血管外漏出所見を認めた.深部腟壁血腫に対しての経腟的な止血,縫合処置は困難と判断し,血管造影を行い,塞栓術を施行する方針とした.右内腸骨動脈,右内陰部動脈造影で造影剤の血管外漏出所見あり.右内陰部動脈に対して,多孔性ゼラチン粒(gelpart)を用いてTAE(transcatheter arterial embolization)を施行した.TAE後も右内腸骨動脈造影で造影剤の血管外漏出所見あり,右上殿動脈より遠位部でTAEを施行し,造影剤の血管外漏出所見は消失した.止血を確認し,血腫除去,洗浄,腟壁裂創縫合術を施行した.総出血量は1413g,総輸血量は赤血球濃厚液4単位であった.以降,活動性出血や血腫形成なく,産褥8日に退院した.経腟分娩後の深部腟壁血腫に対してIVRを施行し止血された1例を経験したので若干の文献的考察を加え報告する.


関東連合産科婦人科学会誌, 50(2) 345-345, 2013


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