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<< 学会誌へ戻る 【緒言】帝王切開術をはじめとする子宮手術の既往は，妊娠における子宮破裂のリスクを上昇させることが知られている．今回我々は，帝王切開の既往を有する妊婦において妊娠35週に完全子宮破裂により腹腔内に児ならびに胎盤を娩出した症例を経験したので報告する．【症例】36歳，4経妊2経産婦．既往歴，家族歴に特記すべきことなし．第1子は妊娠37週に2410gの男児を経腟分娩．第2子は胎児発育不全及び胎児機能不全の診断にて，妊娠34週5日，緊急帝王切開を施行し1156gの男児を分娩した．子宮下部横切開，単結紮二層縫合を行った．術後発熱などの感染徴候は認めなかった．術後6ヶ月で自然に妊娠が成立し，前医にて定期的に妊婦健診を受けていた．妊娠35週4日，突然の下腹部痛と破水感を主訴に当院へ搬送された．入院時，強い下腹部痛・性器出血・羊水流出を認め，胎児心拍30bpm台の高度徐脈あり．常位胎盤早期剥離を念頭に，胎児機能不全の診断にて全身麻酔下に緊急帝王切開術を施行した．開腹時，腹腔内に胎児ならびに胎盤を認めた．子宮は超手拳大に収縮し，既往帝王切開創部から膀胱方向にかけてL字型に破裂創を認めたため，完全子宮破裂による腹腔内分娩と診断した．児は2542g，女児，5分後アプガースコア0点，臍帯動脈血ガスpH：6.523と重症新生児仮死であったが，蘇生に反応し，NICU入室となった．【考察】帝王切開術の既往により妊娠経過中に突然の子宮破裂を来した報告は稀である．文献的考察を加えて発表する． 関東連合産科婦人科学会誌, 50(2) 348-348, 2013 |
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