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第125回学術集会(平成25年6月15日(土),16日(日))
【一般演題】
1年間に経験した一絨毛膜一羊膜双胎の4症例
丸田 佳奈, 中島 義之, 田代 英史, 和田 真沙美, 草西 多香子, 諸岡 雅子, 渡邉 悠久美, 坂井 昌人, 正岡 直樹
東京女子医科大学八千代医療センター母体胎児科・婦人科
一絨毛膜一羊膜(MM)双胎は,一絨毛膜双胎の1%で,臍帯相互巻絡が多く周産期予後は不良であるが,管理方法について一定の見解は得られていない.今回我々は,1年間に4症例のMM双胎を経験したので報告する.
症例1は32歳の1回経妊1回経産婦.自然妊娠であり,妊娠32週に臍帯静脈の血流異常が増悪したため,1,640gと1,754gの女児を帝王切開で分娩した.症例2は37歳の0回経妊婦.IVF-ET後妊娠であり,切迫早産のため硫酸マグネシウム使用し管理していたが,妊娠35週に陣痛発来し,1,756gと1,628gの女児を緊急帝王切開で分娩した.症例3は26歳の1回経妊1回経産婦.排卵誘発剤による妊娠であり,切迫早産のため硫酸マグネシウム使用し管理していたが,妊娠33週に前期破水し,2,228gと2,190gの男児を緊急帝王切開で分娩した.症例4は28歳3回経妊0回経産婦.自然妊娠であり,経過中に切迫早産のため塩酸リトドリン使用し,妊娠35週に1,722gと1,828gの女児を選択帝王切開で分娩した.
全症例とも,妊娠22〜24週に管理入院とし,入院中は胎児心拍モニタリングを連日行い,biophysical profile scoreに加え,臍帯動静脈の血流評価も頻回に実施し,胎児well-beingの厳重な監視のうえ,妊娠35週での帝王切開の方針としていた.全例に臍帯相互巻絡を認め,2例の先天性心疾患(心室中隔欠損症,ファロー四徴症)を認めたが,胎児機能不全や新生児仮死は認めず,全例神経学的予後良好で退院となった.
MM双胎は,入院管理のうえ,厳重な胎児健康状態の監視を行い,胎児娩出時期に注意をはらうことで,周産期予後を改善できる可能性を示唆した.
関東連合産科婦人科学会誌, 50(2)
351-351, 2013
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