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第125回学術集会(平成25年6月15日(土),16日(日))

【一般演題】
総排泄腔遺残症の周産期管理と長期予後


本田 雅子1, 川内 博人1, 荻野 弓希子1, 新井 努1, 田中 潔2, 天野 完1, 海野 信也1
北里大学産婦人科1, 北里大学外科2


 総排泄腔遺残症は,胎生4週頃に形成される総排泄腔の形態異常と,5〜8週頃の中隔形成の異常により,直腸・腟・尿道が分離されないことにより生ずる.近年は出生前診断されることも多く,小児期のQOLは徐々に改善されているが,月経・性交渉・妊娠・分娩といった生殖機能への長期的な対策は十分とはいえない.そこで当院で経験している5症例につき検討を加えた.  症例は1歳から29歳までの5症例.3例は直腸総排泄腔瘻術後,1例は腟欠損・直腸膀胱瘻を伴う高位鎖肛術後である.生殖器奇形は,重複腟,膀胱腟瘻,双角子宮(2例)である.4例については最終的な修復手術からは23〜29年経過しているが,生殖年齢に達してからも全例で尿路感染症や骨盤腹膜炎を繰り返している.出生前診断された1例は,生後8日目に手術を行い外科で管理中である.生殖年齢に達した症例の婦人科的管理としては腟狭窄に対し,腟形成術や頚管拡張器を用いた腟拡張を行っており,自宅での自己拡張も指導している.3例でパートナーがいるが性交渉はなかなか進まない.1例は既婚で,他の1例も結婚予定で挙児希望があるが,今までに妊娠が成立した例はない.  本疾患はその希少性からも,悩みを表出する相手がおらず精神的ケアが不十分になりがちである.患者の転居や医師の異動により同一医が継続的にフォローできないことが助長する.また,産婦人科を受診する時期は思春期以降であることが多く,病態の把握も困難である.本症による生殖機能障害の実態を小児外科・泌尿器科にfeedbackし,婦人科医が小児期から関与することが理想であり,患者・施設同士のつながりも重要である.


関東連合産科婦人科学会誌, 50(2) 352-352, 2013


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