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第125回学術集会(平成25年6月15日(土),16日(日))

【一般演題】
亜急性壊死性臍帯炎(subacute necrotizing funisitis=SNF)の病理像と臨床像


有澤 正義
都立大塚病院検査科


【背景】臍帯での炎症細胞浸潤は胎児の好中球の浸潤である.慢性肺疾患(CLD)と絨毛膜羊膜炎(CAM)の関係は知られているが臍帯炎とCLDの関係は知られていない.ただし,CLDと亜急性壊死性臍帯炎(subacute necrotizing funisitis=SNF)は合併率が高いと報告されている.今回私は,CLDと臍帯炎が関係するのか,さらに臍帯炎が慢性化したSNFとCLDの合併はどうであるかを検討した.【材料】139例のCLDの臍帯の炎症と週数,IgM値を明らかにした.SNF24例のCLDの合併群の週数とIgM値を検討した.CLDの定義は新生児が修正36週になっても酸素が必要である場合をCLDとした.【結果】139例のCLDの平均分娩週数は25.6週であった.CLDの臍帯炎の合併数は57/139例であった.24例のSNFの中でCLD合併は7/24例で,平均分娩週数は25.4週であった.平均IgM値は92.3mg/dLでした.SNFの中でCLDを合併していなかったのは17/24例で,平均分娩週数は28.6週で,平均IgM値は26.1mg/dLであった.【考察】CLD群の中で臍帯炎は以前報告したCAMの60%ほど高率ではないが,41%と高率であった.臍帯炎が慢性化したSNF群の中でCLD(+)群は29.2%とそれほど高率ではなかった.すなわちSNFはCLDの発症因子とは考えにくい.SNF群におけるCLD(+)群はCLD(-)群の週数の比較ではCLD(+)の群の分娩週数がより早い週数を示した.SNF群の中でCLD(+)群はCLD(-)群よりIgMは高値であった.このことは,週数が28週を超えている,IgMが30mg/dL以下であることが,たとえSNFを合併していてもCLDに関すれば合併が少なくなるということが確認された.


関東連合産科婦人科学会誌, 50(2) 353-353, 2013


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