 |
|
  |
|
         
|
<< 学会誌へ戻る 胎盤ポリープは産褥期や流産後に子宮内に遺残した胎盤が変性やフィブリン沈着を伴い器質化しポリープ状に増大したものであるが，妊娠終了後に断続的な性器出血から大量出血に至った報告もある．我々は，両側に留置した子宮動脈バルーンを拡張させ，子宮流入血流を低下させることで出血量をコントロールでき，安全に胎盤ポリープを摘出した症例を経験した．症例は30歳女性．2経妊0経産．他院にて妊娠6週に稽留流産の診断で子宮内掻爬術を受けたが，不正性器出血が持続した．2カ月後には性器出血が増加したため当科に紹介された．経腟超音波断層法および骨盤MRI・MRAにて子宮内に血流豊富な腫瘤を認めたため，胎盤ポリープと診断した．来院時の血中hCG値は42.3 IU/Lであったが漸減していたため自然脱落を期待し経過を観察していたが，持続する性器出血に加え下腹部痛が増悪したため外科的処置に踏み切った．放射線科医によって，止血困難時対策としての子宮動脈塞栓術も準備しつつ，両側子宮動脈内の留置バルーンを拡張し，一時的に阻血することで子宮鏡下での胎盤ポリープ切除術を安全に遂行できた．子宮動脈塞栓術は出血量を抑えることに対して有効と報告されているが，術後の妊孕性についての評価は定まってはいない．しかし，バルーン拡張術は塞栓術に比べて子宮への負担が少なく，妊孕性の維持に有効であると考えられる．また自験例のように，胎盤ポリープに対しては子宮動脈のバルーン拡張を併用することが安全であると考える． 関東連合産科婦人科学会誌, 50(2) 355-355, 2013 |
||
|
一般社団法人関東連合産科婦人科学会事務局 〒102-0083 東京都千代田区麹町4-7 麹町パークサイドビル402 株)MAコンベンションコンサルティング内 TEL：03-3288-0993 FAX：03-5275-1192 E-mail：kantorengo@jsog-k.jp Copyright (C) 一般社団法人関東連合産科婦人科学会 |