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第125回学術集会(平成25年6月15日(土),16日(日))
【一般演題】
子宮腺肉腫(uterine adenosarcoma)の1症例
平川 宏, 片岡 良孝, 大蔵 健義, 市村 三紀男
千葉愛友会記念病院産婦人科
子宮腺肉腫は,良性の上皮および悪性の間質(間葉)の成分よりなる稀な腫瘍である.今回,われわれは,TCR後に,再発し,子宮全摘術により,子宮腺肉腫の診断にいたった1症例を経験したので,病理組織像,免疫染色像および文献的考察を加えて報告する.症例は,61歳,2回経産.不正性器出血にて近医受診.子宮内を占拠する腫瘤がみられ,子宮内膜細胞診ではclassIIであり,経過観察とされていた.その後,再度出血がみられ,前医受診.細胞診classIIIa,診断および治療目的にてTCR施行された.TCR切片を用いた病理診断では,adenomyomaであり,外来経過観察とされていた.外来経過観察中,再度子宮内を占拠する病変が出現し,再発疑われ,手術目的にて当院受診となった.当院で行ったMRIでは,病変は不均一に描出され,悪性の可能性も考慮し,子宮および両側付属器切除術を行った.手術切除検体を用いた病理検査では,adenosarcomaの診断であった.HE像では,間質細胞のcellularityの増加,mitosisの増加がみられ,免疫染色では,間葉の成分で,vimentin(+),CD10(+〜-),SMA(+〜-),desmin(+〜-),MIB-1 indexは多いところで15%であり,adenosarcomaとして矛盾しない結果であった.子宮腺肉腫は比較的まれな疾患であるが,再発を繰り返す腫瘤性病変の場合など,念頭に置いておく必要のある腫瘍であると考えられた.
関東連合産科婦人科学会誌, 50(2)
357-357, 2013
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