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<< 学会誌へ戻る 【緒言】平滑筋腫瘍は平滑筋への分化を示す細胞よりなる腫瘍と定義され，悪性度の面より平滑筋腫，平滑筋肉腫，悪性度不明の平滑筋腫瘍（STUMP：smooth muscle tumor of uncertain malignant potential）の3つに分類される．通常の良悪性の基準を適用してもなお鑑別が難しい稀な症例，特に腫瘍の形態が臨床データと相関しないような場合，STUMPと呼ばれる．今回私達は形態的にはSTUMPに相当するが，一部に肉腫を示唆する所見を認めたため，低悪性度類上皮平滑筋腫瘍と診断された症例を経験したので，文献的考察を加え報告する．【症例】症例は65歳，3経妊3経産．婦人科検診で骨盤内腫瘍を認め，当院に紹介受診となった．MRIにて大きさ5cm程度の出血を伴う腫瘤性病変を子宮体部に認め，平滑筋肉腫が疑われた．腫瘍マーカーに有意な上昇なく，子宮頸部および内膜細胞診でも有意な所見は認めなかった．腹式単純子宮全摘術および両側付属器摘出術を施行した．術後病理組織診断にて，本検体は組織学的に好酸性の胞体を有する腫瘍細胞が多彩な形態を呈しており，一部は肉腫を示唆する所見（辺縁不整な進展・血管壁を圧排する像）と，肉腫として非典型的な所見（明らかな凝固壊死が指摘できない・核異型が強くない・低い核分裂像/増殖能）が混在していた．STUMPに相当する所見であるが，通常の上皮型及び粘液腫型平滑筋腫瘍とは異なる組織像である点，肉腫を示唆する所見があることを考え，低悪性度類上皮平滑筋腫瘍と診断された．術後問題なく経過し，追加治療なく外来経過観察中であるが，再発兆候なく経過している． 関東連合産科婦人科学会誌, 50(2) 358-358, 2013 |
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