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第125回学術集会(平成25年6月15日(土),16日(日))

【一般演題】
子宮粘膜下筋腫の分娩により血中ヘモグロビン値が1.8g/dlまで低下したが救命しえた1例


田中 洋輔, 高橋 佳容子, 森澤 宏行, 厚木 右介, 若佐谷 敦, 島田 和彦, 山田 哲夫, 大和田 倫孝, 佐藤 郁夫
国際医療福祉大学病院産婦人科


 子宮粘膜下筋腫は,時として大量性器出血を来すことがある.今回われわれは,子宮粘膜下筋腫の分娩により血中ヘモグロビン値が1.8g/dlまで低下したにもかかわらず救命しえた1例を経験したので報告する.症例は48歳の2経妊2経産婦である.2012年6月に性器出血,摂食不良,起立不能を主訴に当院救急部に救急車搬送となった.意識レベルはJCS I-1,体温35.8℃,脈拍111回/分,血圧100/50mmHg,SpO2 100%(room air)であった.血液データは赤血球数134万/μl,ヘモグロビン値1.8g/dl,ヘマトクリット値7.8%,血小板数47.8万/μl,総タンパク6.3g/dl,アルブミン3.4g/dl,AST:367 IU/l,ALT:379 IU/l,LDH:475 IU/l,CRP 1.57mg/dlであり,顕著な貧血が確認された.妊娠反応は陰性であった.大量の性器出血があったため,救急部より産婦人科へ紹介された.クスコ診では,腟内に鶏卵大の子宮筋腫が確認され,筋腫分娩と診断した.直ちに濃厚赤血球製剤を10単位輸血し,全身状態がやや改善したところで,全身麻酔下で経腟的子宮筋腫核出術を施行した.摘出子宮筋腫核は約5cm大で,病理診断は平滑筋腫であった.術後は鉄剤の投与により貧血は速やかに改善し,術後14日で軽快退院した.子宮筋腫のうち子宮粘膜下筋腫は重症貧血を来しうる.長期にわたる慢性貧血は致死的なヘモグロビン値であっても,はっきりとした貧血症状を来さないこともあり注意を要する.本例では全身状態を考慮し,子宮全摘出術を選択せず,手術侵襲の少ない経腟的子宮筋腫核出術を施行し,十分な対応ができた.若干の文献的考察を加えて報告する.


関東連合産科婦人科学会誌, 50(2) 359-359, 2013


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