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第125回学術集会(平成25年6月15日(土),16日(日))

【一般演題】
Junctional zone myometriumから発生した子宮筋腫の手術方法に関する考察


橋場 剛士, 荒岡 千景, 眞山 麗子, 松澤 由記子, 和地 祐一, 岩下 光利
杏林大学医学部産婦人科


[目的]Junctional zone(JZ)は子宮内膜直下の子宮筋内層に相当し,MRIのT2強調画像にて低信号を呈する.この層は子宮内膜と同様にホルモンによる変化を示し,子宮蠕動にも関わり,生殖機能の上で重要な働きをしている.JZから発生した子宮筋腫の手術では,JZと子宮内膜の構造異常を修復することが大切であり,これまでの実施例を後方視的に分析し,適切な手術方法に関する考察を行う.[方法]子宮筋内層から発生しJZが消失・途絶しているものを「JZから発生した子宮筋腫」と定義し,定義に当てはまる12例の臨床症状,画像診断,手術方法,合併症,転帰を後方視的に調査した.[成績]臨床症状のなかで,月経困難症(92%),過多月経(75%),貧血(58%),不妊・不育(50%)の頻度が高かった.骨盤MRIで筋腫の最大径は27から87mm(平均53mm)の範囲にあり,子宮内腔の拡張と変形をきたしていた.腹腔鏡下子宮筋腫核出術(LM)を9例,腹式子宮筋腫核出術(AM)を2例,TCRを1例実施し,出血量は0から350ml(平均76ml),内膜損傷は2例に発生したが,3日以上の発熱,予定外の追加手術,入院期間の延長,子宮内腔癒着の発生はなかった.臨床症状は著明な改善が見られ,不妊6例のうち3例で自然妊娠成立した.[結論]「JZから発生した子宮筋腫」は巨大にならず,術中の出血量が少ない特徴があり,LMのよい適応と考える.多発性子宮筋腫や非定型筋腫はAMを考慮する.TCRは内膜再生遅延と子宮内腔癒着の問題があり,適応例を十分検討する必要あり.


関東連合産科婦人科学会誌, 50(2) 360-360, 2013


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