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第125回学術集会(平成25年6月15日(土),16日(日))
【一般演題】
角部妊娠後の胎盤ポリープに対し腹腔鏡監視下にTCRを施行した症例
平野 結希, 呉屋 憲一, 柏木 寛史, 篠田 真理, 鈴木 隆弘, 石本 人士, 和泉 俊一郎, 三上 幹男
東海大学医学部・付属病院産婦人科
【緒言】分娩後や流産後の遺残胎盤により発生する胎盤ポリープは,しばしば大量出血の原因となる.血流のある胎盤ポリープでは盲目的な子宮内掻爬は大量出血のリスクとなり,これに対し近年では経頚管的切除術(transcervical resection:TCR)や子宮動脈塞栓術(uterine artery embolization:UAE)が有効的であると報告されている.今回,流産手術後に発生した胎盤ポリープに対しTCRを施行した一例を経験したので報告する.【症例】33歳,2経妊0経産,稽留流産にて他院で流産手術を施行した.術後1ヶ月頃より出血が持続し,術後2ヶ月の超音波検査にて子宮内腔に腫瘤を認め,胎盤組織残存の疑いで当院紹介となった.当院来院時の血中hCG値は28 IU/L,性器出血を認めた.超音波検査とMRI検査上,左子宮卵管角部に25mm大の不整な腫瘤を認め,カラドプラ法では内部に豊富な血流を認めた.上記経過より胎盤ポリープと診断した.UAEを施行し,翌日にTCRを施行した.左子宮卵管角部にはまりこむような組織を慎重に細切除去した.術後経過良好にて7日目に退院となった.退院後の外来にて血中hCG値は<0.5IU/Lと陰転化した.【結語】卵管角部に発生した胎盤ポリープは子宮鏡手術のみでは子宮穿孔のリスクが高いと考えられたため,術前の子宮動脈塞栓術と腹腔鏡監視下でのTCRを施行した.
関東連合産科婦人科学会誌, 50(2)
362-362, 2013
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