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第125回学術集会(平成25年6月15日(土),16日(日))

【一般演題】
Rokitansky症候群の瘢痕状重複子宮から発生した漿膜下筋腫の1例


松尾 知世, 榊原 秀也, 川野 藍子, 小山 麻希子, 中村 朋美, 平原 史樹
横浜市立大学附属病院産婦人科


【緒言】Rokitansky症候群は出生女児5000人に1人の頻度で発生し,先天性腟欠損と痕跡子宮を認める稀な疾患である.今回我々はRokitansky症候群の痕跡子宮に発生し,卵巣腫瘍との鑑別が困難であった漿膜下筋腫の一例を経験したので報告する.【症例】34歳女性,0回経妊0回経産.18歳時に原発性無月経にて他院を受診し,腟低形成と診断された.その際の染色体検査・ホルモン検査では異常を認めなかった.その後受診していなかった.今回,原発性無月経を主訴に前医を受診した.骨盤内腫瘤を指摘され,精査加療目的に当院紹介となった.視診では外陰部に腟の開口を認めず,直腸診では骨盤内に弾性硬で可動性良好の腫瘤を触知した.MRIでは腟・子宮ともに低形成であり,10.5×8×13.5cmの充実性腫瘤を骨盤内に認めた.右卵巣充実性腫瘍が疑われたため,手術の方針とした.術中所見では,瘢痕状の重複子宮と右側子宮に茎をもつ腫瘤があり,漿膜下筋腫と考えられた.付属器は両側とも正常であった.筋腫摘出術を施行し,術後病理診断で漿膜下筋腫と確定した.【考察】本症例では術前MRIで子宮は低形成であり,腫瘤との連続性が不明瞭であったため,子宮筋腫を積極的に疑わなかった.文献的には稀ではあるが痕跡子宮に発生した子宮筋腫が報告されており,卵巣腫瘍との鑑別が必要であると考えられた.【結語】Rokitansky症候群で骨盤内腫瘤を認めた場合には,鑑別診断として子宮筋腫も考慮する必要がある.


関東連合産科婦人科学会誌, 50(2) 364-364, 2013


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