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第125回学術集会(平成25年6月15日(土),16日(日))
【一般演題】
CIN3にて円錐切除後に発生したvaginal intraepithelial neoplasia(VAIN)の1例
篠原 諭史, 寺本 勝寛, 坂本 育子, 大内 秀高, 池上 淳
山梨県立中央病院婦人科
【緒言】膣上皮内腫瘍は女性性器上皮内腫瘍の1%未満とまれな疾患である.発症にはHPV感染が関与し,浸潤癌へと進展する可能性がある.今回,我々はCISで円錐切除後,外来経過観察中にVAINと診断された症例を経験したため報告する.【症例】52歳,3経妊2経産.CISのために円錐切除を施行し,外来フォローとしていた.3年後に子宮頚部細胞診class3b−4を指摘されるも,コルポスコピー下狙い生検にて子宮頚部に組織学的に異常所見を認めなかった.膣壁擦過細胞診にてclass3b−4であり,コルポスコピーによる所見で膣壁左上1/3に白色上皮・赤点斑を認め,組織診にてVAIN3の診断となった.血中SCCは3.5ng/mlと高値であった.そのため,ATH+BSO+膣壁切除術を行った.術後の病理診断にて,子宮頚部に病変を認めず膣壁から15mm強の範囲に高度異型成〜上皮内癌を認めた.側方断端は陽性であった.【結論】VAINの発生にはHPVが関与しており,閉経後に多いとされている.子宮頸癌術後も,細胞診にて異常所見を認めた場合,VAIN発生の可能性を考慮してコルポスコピーにて膣壁を十分に観察することが必要である.
関東連合産科婦人科学会誌, 50(2)
367-367, 2013
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