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第125回学術集会(平成25年6月15日(土),16日(日))
【一般演題】
子宮頸部類内膜腺癌の2例
廣瀬 宗, 上田 和, 駒崎 裕美, 鳴井 千景, 高橋 一彰, 永田 知映, 斎藤 元章, 矢内原 臨, 高倉 聡, 山田 恭輔, 落合 和徳, 岡本 愛光
東京慈恵会医科大学産婦人科
子宮頸部腺癌は全子宮頸癌の10-30%と発生頻度は低く,その約70%が粘液性腺癌であり,類内膜腺癌は20-30%と比較的まれである.今回我々は子宮頸部類内膜腺癌の2例を経験したので報告する.【症例1】48歳,1経妊1経産.不正出血を主訴に前医を受診し子宮頸癌が疑われ,精査加療目的のため当科紹介受診となった.子宮頸部に4.7cm大の腫瘤性病変を認め,また組織診にて類内膜腺癌の診断となった.以上より子宮頸部腺癌Ib2期の診断にて手術療法を施行した.術後病理検査では子宮頸部類内膜腺癌grade3,pT1b2N1M0の診断となり,同時化学放射線療法の方針となった.【症例2】65歳,5経妊3経産.不正出血を主訴に当科を受診.子宮頸部に潰瘍形成を伴う4.1cm大の腫瘤性病変を認め,子宮頸部細胞診にてclassV/Adenocarcinoma,組織診にて低分化型腺癌の診断となった.以上より子宮頸部腺癌IIb期の診断にて,手術療法を施行した.術後病理検査では子宮頸部類内膜腺癌grade3,pT1b2N0M0と卵管漿液性腺癌grade2,pT1c N1 M0の重複癌との診断となり,術後補助療法としてTC(paclitaxel+carboplatin)療法を施行した.子宮頸部腺癌は扁平上皮癌に比べ予後不良であることが知られているが,その亜型による予後の相違は明確ではなく,また治療指針も確立していない.さらに類内膜腺癌に関しては内頸部由来か体部内膜由来かの診断が極めて重要かつ困難とされており,その診断には注意を要する.
関東連合産科婦人科学会誌, 50(2)
368-368, 2013
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