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第125回学術集会(平成25年6月15日(土),16日(日))
【一般演題】
若年子宮体癌,複雑型子宮内膜異型増殖症患者に対する妊孕性温存療法施行例におけるメンタルヘルスの評価
横田 めぐみ, 山上 亘, 桑波田 美智子, 滝川 彩, 各務 真紀, 片岡 史夫, 阪埜 浩司, 進 伸幸, 青木 大輔, 吉村 𣳾典
慶應義塾大学産婦人科
【緒言】若年子宮体癌(EC)または複雑型子宮内膜異型増殖症(AEHC)に対する妊孕性温存療法として高用量MPA(Medroxy progesterone acetate)療法を用いたホルモン療法がある.病変消失率は高いが,再発率も高いため,本治療の目的である妊娠に至る前に再発でMPA療法を繰り返す症例も散見され,精神的負担が大きい治療であることが推測される.そこでわれわれは質問紙法を用いて,精神的苦痛(抑うつや不安)について客観的評価を行った.【方法】2012年4月〜2013年2月までに当院でECまたはAEHCに対してMPA療法を開始した10例を対象とした.倫理委員会承認の下インフォームド・コンセントを得て,HADS(Hospital Anxiety and Depression Score)日本語版を用いた質問紙法を治療中,治療終了時,経過観察中と3ヶ月おきに施行し,抑うつ・不安の点数ならびに総得点を解析した.【結果】初回HADS採取時,抑うつの平均値は7.3,不安の平均値は5.4,合計は12.7であった(n=10).初回治療症例(n=6)と再発治療症例(n=4)とを比較すると,再発症例群の抑うつ(初回5.5再発9.3),不安(初回4.0再発5.3),合計(初回9.5再発14.5)が高い傾向にあった.また,治療が終了できた3症例を治療前,治療後で比較すると2例が抑うつ,不安,総合点とも改善したが,1例は不安のみ増悪した.【結語】MPA療法施行時のストレス値は高い傾向にあり,精神面での医療的介入を必要とする可能性が示唆された.
関東連合産科婦人科学会誌, 50(2)
371-371, 2013
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