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第125回学術集会(平成25年6月15日(土),16日(日))

【一般演題】
右卵巣より発生した腹膜偽粘液腫の1例


羽生 裕二1, 木村 博昭1, 廣澤 聡子1, 鈴木 義也1, 神山 正明1, 岡本 亮2, 西原 弘治3
国保君津中央病院産婦人科1, 国保君津中央病院外科2, 国保君津中央病院病理3


【緒言】腹膜偽粘液腫(Pseudomyxoma peritonei(以下PMP))は大量の粘液様物質が腹腔内に充満した病態である.手術的に可及的に除去されても再発を繰り返し,緩徐に腹腔内を占拠し死に至るという経過を辿る.今回,右卵巣原発と考えられるPMPの症例を経験したので報告する.【症例】32歳未経妊未経産.20XX年8月より腹部膨満を自覚し,近医CTで多房性腹腔内腫瘍を認めたため10月当院紹介となった.経腹超音波では腹腔内は不規則な細かい内部エコーを有する境界不明瞭な腫瘍で占拠され,PMPを疑わせた.CT,MRIで原発巣の特定は困難であった.腫瘍マーカーはCEA,CA19-9,CA125などが高値であった.腹部膨満症状が強く,歩行・食事などのADLも低下していたため,診断・治療目的に開腹手術施行した.手術所見では,右卵巣は20cm程度に腫大し,広範囲で腫瘍壁は破綻し,破綻部位からゼラチン状の腫瘍内容物の流出を認めた.両側付属器切除+虫垂切除+大網切除を行い,ゼラチン状の腫瘍内容物を可能な限り除去したのち生食9000ml+ヘスパンダー1000mlで腹腔内洗浄を行った.病理診断は右卵巣粘液性境界悪性腫瘍であり,右卵巣原発のPMPと診断した.【考察】PMPは大部分が虫垂原発とされるが,当症例は臨床的に右卵巣原発と考えられた.Cytokeratin7,20,Mucin2などの免疫染色で原発巣の推定が可能とされるが,当症例では推定困難であった.卵巣原発を考えられるPMPも虫垂検索が重要である.再発率が高いが,未だ確立された治療法はない.当症例では術後治療は行わず経過観察している.


関東連合産科婦人科学会誌, 50(2) 374-374, 2013


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