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<< 学会誌へ戻る 婦人科悪性腫瘍手術ではリンパ節郭清も施行されることが多い．術後にリンパ節の漏出によってリンパ嚢胞や下肢浮腫等を来すことはよく経験する．今回我々は，リンパ節郭清後にリンパ液の漏出が続き，再手術に至った症例を2例経験したので報告する．【症例1】43歳，0経妊0経産．不正性器出血を主訴に近医受診，経腟超音波断層法にて9cm大の右卵巣腫瘍を認めた．当院を紹介受診し，MRIにて10cm大の造影効果を伴う腫瘍を認めた．AFP12万以上と高値を認め，悪性腫瘍の疑いにて手術施行した．術中迅速診断で明細胞腺癌の診断で子宮全摘＋両側附属器摘出＋大網切除＋リンパ節郭清を行った．術後は乳糜様腹水を多量に認めた．術後14日目にドレーン抜去したが，その後も腹水貯留は改善せず，頻回に腹水抜水を行った．術後22日目に抗癌化学療法を行ったが，その後も腹水貯留は改善せず，アルブミン・サンドスタチン投与を行った．術後37日目には胸水貯留に伴い呼吸不全となり，人工呼吸管理となった．リンパ管造影の後にリンパ漏修復術を行い，腹水コントロールを行った．【症例2】65歳，0経妊0経産．健康診断で骨盤内に腫瘤を指摘，加療目的に当院へ紹介された．MRIで右卵巣悪性腫瘍疑われ，手術を施行した．術中迅速診断で漿液性腺癌の診断で子宮全摘＋両側附属器摘出＋大網切除＋リンパ節郭清を行った．術中，リンパ液の漏出ないことを確認して閉腹したが，術後多量の乳糜様腹水の漏出が出現した．一時は改善傾向となったが，術後11目にドレーン部感染を来して以降は乳糜様腹水の漏出改善せず，術後28日目にリンパ管シンチを施行した．漏出部確認後に修復術を行い，腹水コントロールを行った． 関東連合産科婦人科学会誌, 50(2) 376-376, 2013 |
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