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第125回学術集会(平成25年6月15日(土),16日(日))

【一般演題】
術後呼吸管理に苦慮した巨大卵巣腫瘍の1例


水上 順智, 鈴木 元晴, 井上 智恵, 中澤 梨佐, 仲神 宏子, 菊地 真理子, 岡垣 竜吾, 亀井 良政, 板倉 敦夫, 石原 理
埼玉医科大学産婦人科


 卵巣腫瘍はしばしば病識に乏しく,巨大化により生活を障害するようになって初めて医療機関を受診する例も存在する.今回我々は,巨大卵巣腫瘍による呼吸障害を認め,術中術後の呼吸管理に苦慮した1例を経験したので報告する.症例は55歳,0経妊0経産.2年前より腹部緊満感を自覚していたが放置していた.1か月前より腹満感の増悪を認めていたが,医療機関を受診せず.次第に歩行困難となり呼吸苦も出現してきたため,救急車にて近医搬送となり,CTにて巨大卵巣腫瘍を指摘され当院婦人科に搬送された.来院時身体所見では身長148cm,体重120kg,腹囲160cm,腹部膨満著明.呼吸苦のため側臥位以外の体位を取ることは困難であった.胸部X線検査で右肺野の無気肺と横隔膜の挙上を認めた.血液検査でDダイマーとCA125の高値を認めた.画像上は良性卵巣腫瘍と診断された.手術室にて全身麻酔下に右側臥位で腫瘍内容液を穿刺排液し,その後仰臥位をとり開腹した.腫瘍は左卵巣由来であり360度捻転していた.腫瘍表面と腹膜が広範囲に癒着していた.癒着剥離後,左付属器切除を施行.術後挿管のままICUへと帰室となった.術後7日目抜管を試みるも呼吸不全となったため再挿管となった.術後14日目に再度抜管を行い成功,BiPAPを装着した.術後23日目にはBiPAPも離脱.その後呼吸不全は認めず,術後50日目に退院となった.病理学的には粘液性嚢胞腺腫であった.巨大卵巣腫瘍の治療を行う場合,重篤な呼吸・循環障害をきたし,術後は長期の集中治療を要する可能性がある.高次施設において十分な対応策を準備してから治療開始することが肝要である.


関東連合産科婦人科学会誌, 50(2) 377-377, 2013


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