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第125回学術集会(平成25年6月15日(土),16日(日))

【一般演題】
茎捻転との鑑別が困難であった卵巣成熟嚢胞性奇形腫の破裂に対し腹腔鏡下手術を行った2例


篠崎 悠, 櫻井 信行, 若松 修平, 梅山 哲, 本田 能久, 寺西 貴英, 福庭 一人
太田記念病院産婦人科


【緒言】成熟嚢胞性奇形腫の破裂の確率は1%,茎捻転は16%とされるがいずれも臨床症状として下腹部痛を呈し両者の鑑別は困難である.【症例1】24歳,0経妊,2日前からの下腹部痛で前医を受診し,CT上7cm大の卵巣腫瘍を認めた.来院時,圧痛を伴う卵巣腫瘍があり,卵巣嚢腫の茎捻転を疑い同日緊急腹腔鏡下手術を実施した.術中所見としては卵巣嚢腫が破裂しており,茎捻転の所見は認めなかった.腹腔鏡下卵巣嚢腫切除術を実施し,病理診断は成熟嚢胞性奇形腫であった.【症例2】33歳,0経妊,既往歴に左卵巣嚢腫に対し左卵巣摘出術あり.今回,4日前からの下腹部痛を認めたため前医を受診しCT上6cm大の卵巣腫瘍を指摘された.当科で行ったMRIでは6cm大の卵巣嚢腫と腹膜の肥厚を示唆する所見を認めた.症例1と同様,卵巣嚢腫に圧痛があり卵巣嚢腫の茎捻転の疑いにて同日緊急腹腔鏡下手術を実施した.術中所見としては腹腔内に広範に脂肪成分を認め,右卵巣は破裂していたが卵巣茎捻転の所見は認めなかった.左卵巣摘出術後であり今後の妊孕性を考慮し,卵巣嚢腫部分切除術に加えアルゴンレーザー凝固装置で嚢腫壁全体を焼灼した.病理診断は成熟嚢胞性奇形腫であった.【考察】卵巣成熟嚢胞性奇形腫の破裂は稀とされるが破裂例の中には悪性転化を認めた報告もあり,術前に卵巣嚢腫の破裂が診断されることが望ましい.今回の2症例は卵巣嚢腫の破裂を術前に診断することはできなかったが,症例2では化学性の腹膜炎によると思われる腹膜肥厚の所見をMRIで認めており,腹膜の所見が術前診断の一助になると考えられた.


関東連合産科婦人科学会誌, 50(2) 380-380, 2013


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