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<< 学会誌へ戻る 臍帯静脈瘤（Umblilical vein varix：以下UVV）は稀な疾患で，頻度は約1.1人/1000妊娠であり，また発生部位のほとんどは胎児腹腔内であり，臍帯内に発生するUVVは数例の報告があるのみという稀な疾患である．今回我々は，胎児臍帯内UVVと診断し妊娠36w0dに帝王切開術を施行した一例を経験したので報告する．症例は30才0G0P，妊娠初期より他院にて妊婦健診施行，妊娠経過に特記すべき異常を認めていなかったが，妊娠35w1dの妊婦健診で径39×37mmの臍帯嚢胞を指摘され，精査目的に妊娠35w6d当院紹介となる，当院の診察にて臍帯嚢胞と臍帯静脈の間に約5mm大の交通があり，その間隙より緩やかな血流を認め胎児臍帯内UVVと診断した．その他明らかな胎児形態異常は認めず，NSTもreactive patternであった．患者および家族と相談し臍帯内UVVのIUFDのリスクを考慮し妊娠36w0d帝王切開にて分娩に至った．児は女児，出生体重2738g，身長47.5cm，Apgar score 8点（1分）/9点（5分），臍帯動脈血pH7.23で出生児には特記すべき異常所見を認めなかった．臍帯の肉眼所見では胎盤から約40cmの部位に約4cm大の血液の貯留したUVVを認めた．UVVの発生率は不明な点があるが約1.1/1000妊娠で，臍帯異常に伴うIUFDの原因の3.8%を占めると言われる．UVVの発生部位の多くは胎児腹腔内であり胎児臍帯内UVVの頻度は非常に少ない．症例が少ないため頻度は不明であるが，一般に胎児臍帯内UVVは腹腔内UVVと比べて破裂による出血でのIUFDのリスクがあり，腹腔内UVVよりハイリスクであると考えられる．今回我々は当院で経験した胎児臍帯内UVVの一例を文献的考察も含めて報告する． 関東連合産科婦人科学会誌, 50(3) 443-443, 2013 |
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