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第126回学術集会(平成25年10月26日(土),27日(日))
【若手ポスターセッション2】
縫縮術後の炎症指標の推移に関する検討
石坂 瑠衣, 西口 富三, 堀越 義正, 加茂 亜希, 河村 隆一
静岡県立こども病院産婦人科
はじめに:頸管縫縮術の合併症の1つとして縫縮糸による炎症惹起が挙げられる.当院ではテフロンテープを用いているが,今回当院で施行した症例を対象に炎症指標について後方視的に検討した.対象:縫縮術を施行した149症例のうち,術前ならびに術後併せて2回以上炎症指標(顆粒球エラスターゼ,癌胎児性フィブロネクチン,細菌性腟炎の有無)を測定した81例である.結果:1.顆粒球エラスターゼは,術前2.13±2.26μg/mlで,33例(46%)が陽性であった.術後(4週後)に陽性となったのは52例(62%)で,新規に陽性化したのは26例(32%)であった.2.癌胎児性フィブロネクチンは,術前36例が陽性(>50ng/ml)で,術後新規に陽性となったのは3例(4%)であった.3.腟細菌培養で術前21例が陽性であった.そのうち術後も持続的に陽性を呈したのは15例,術前陰性で術後新たに陽性となったのは40例であった.4.pPROMは3例(<32週)で,うち2例は顆粒球エラスターゼ高値(≧6μg/ml)であった.5.産褥期子宮内膜炎を発症した症例はみられなかった.結論:縫縮術後にフィブロネクチンはほとんどが陰性化するものの,顆粒球エラスターゼは約30%が陽性化することから,炎症惹起の可能性が示唆された.
関東連合産科婦人科学会誌, 50(3)
447-447, 2013
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