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第126回学術集会(平成25年10月26日(土),27日(日))

【若手ポスターセッション6】
強固な便秘による閉塞性イレウスをきたした卵巣カルチノイドの一例


辰巳 嵩征1, 高尾 茉希1, 蓬田 裕1, 雨宮 貴子1, 齊藤 和毅1, 立花 由理1, 篠原 裕子1, 小坂 元宏1, 小野 一郎1, 陶守 敬二郎1, 笠原 一郎2
青梅市立総合病院産婦人科1, 青梅市立総合病院病理2


 卵巣カルチノイドは境界悪性腫瘍に分類される内分泌細胞腫瘍であり,セロトニン・ヒスタミンなどの種々の神経伝達物質を分泌し多様な症状を示す.今回我々は強固な便秘による閉塞性イレウスをきたした卵巣カルチノイドの一例を経験したので報告する.症例は52歳女性,5年前より定期的に繰り返す便秘を自覚していた.3日前より便秘あり,浣腸施行後より腹痛および嘔吐を繰り返すようになったため受診.内科にてCTを施行し便秘による閉塞性イレウスおよび6cm大の卵巣嚢腫,多発する子宮筋腫を診断され当科紹介になった.子宮筋腫,卵巣嚢腫に対して単純子宮全摘術と両側付属器摘出術を施行した.病理組織標本にて索状からリボン状配列および島状を示しながら増生する腫瘍組織を認め,免疫染色標本からCD56,ChromograninA,Synaptophysin,Cytoketratinなどの神経内分泌細胞が陽性であり卵巣カルチノイドと診断した.卵巣カルチノイドには強固な便秘を伴う例がしばしばみられ,腫瘍細胞から放出されるpeptideYYにより強固な消化管蠕動低下症状を起こすためといわれている.この場合は一般的なカルチノイドに多くみられる,セロトニンやヒスタミンによる皮膚紅潮や腹痛・下痢といった症状は示さない.卵巣カルチノイドが3.5cm以上では全例に便秘を合併したという報告もあり,腸閉塞を伴う卵巣腫瘍ではカルチノイドの可能性を考慮すべきであると考えられた.


関東連合産科婦人科学会誌, 50(3) 457-457, 2013


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