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<< 学会誌へ戻る 【緒言】腟平滑筋腫は比較的まれな良性腫瘍である．今回われわれは尿道口直下の腟壁内から発生し，短期間で急速に増大した平滑筋腫症例を経験したので報告する．【症例】患者は38歳，2回経妊2回経産，既往歴に特記事項なし．1年前から外陰部に無痛性の小腫瘤を自覚していたが，排尿障害等認めないので近医で経過観察されていた．1ヵ月前より腫瘤の増大傾向を認めたため当院泌尿器科紹介受診となり，外陰部に径30mmの弾性硬の腫瘤を認め，2週間後当科併診となった．当科初診時，外尿道口と腟口の間に40mm大の腫瘍を認めた．腫瘍は表面平滑で出血傾向などは認めなかった．また，腫瘍マーカーの上昇はなく，子宮頸部細胞診でも有意な所見を認めなかった．腟壁もしくは尿道由来の腫瘍が疑われたが，画像上局在がはっきりとせず，当科初診から1か月後に診断・治療目的に腫瘍を切除する方針となった．手術所見では尿道との連続性のない，比較的境界が明瞭な50mm大の腫瘍を認め，腟壁由来の腫瘍と考えられた．術後病理診断では細胞異型や分裂像，および壊死組織などの悪性所見を認めず，平滑筋腫の診断であった．術後経過良好であり，現在再発を認めていない．子宮筋腫は日常診療で頻繁に遭遇する疾患であるが，腟平滑筋腫は比較的まれな疾患であり，報告が少ない．診断は比較的容易と考えられるが，平滑筋肉腫などの悪性腫瘍の報告もあり，積極的な外科的切除が望ましいと考えられた．【結語】腟壁由来の平滑筋腫症例を経験したので文献的考察をふまえて報告する． 関東連合産科婦人科学会誌, 50(3) 459-459, 2013 |
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