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<< 学会誌へ戻る 【緒言】低悪性度子宮内膜間質肉腫（low grade endometrial stromal sarcoma：LGESS）の発生頻度は子宮体部悪性腫瘍の1%と非常に稀な腫瘍であり，画像診断では子宮筋腫や子宮腺筋症と鑑別しにくく，術前診断が困難である．今回，我々は術前MRIにて変性子宮筋腫と診断して腹腔鏡下子宮全摘術（TLH：total laparoscopic hyste rectomy）を施行し，術後ESSと診断され，後日腹腔鏡下両側附属器切除術が必要となった症例を経験したので報告する．【症例】48歳，4経妊4経産．過多月経があり子宮筋腫と診断され紹介．超音波検査では筋層内に23×20mm大の腫瘤を認め，MRI所見では子宮右側後壁にT1強調像にて等信号，T2強調像にて高信号を呈し変性子宮筋腫と診断した．術前GnRHa1kur投与したが，頭痛，発汗の副作用が強いためジェノゲストに変更しTLH施行となった．術中所見は帝王切開術後であり子宮前面に一部膀胱の癒着を認めたが，その他明らかな癒着や播種所見は認めず，子宮は鶏卵大，両側附属器は正常であった．腹腔鏡下に子宮全摘術施行した後，子宮を腟式に回収した．病理組織は，短紡錘形細胞からなる細胞密度の高い腫瘍で，核分裂像は0〜1/HPFで乏しく，核異型は軽度であったためLow grade ESS（LGESS）の診断となったが，リンパ管侵襲を認めた．患者にインフォームドコンセントを行い，後日腹腔鏡下両側附属器切除術を施行した．【結語】MRIで変性筋腫が疑われる場合，稀にLGESSなどの肉腫が見つかる場合がありえる．従って，術前の十分なインフォームドコンセントと術中の検体回収時に病変が播種をしないように気をつける必要があると考える． 関東連合産科婦人科学会誌, 50(3) 460-460, 2013 |
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