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第126回学術集会(平成25年10月26日(土),27日(日))
【若手ポスターセッション8】
医学的介入により造精機能低下の可能性がある症例の精子凍結保存の成績
伊藤 拓馬, 若山 彩, 竹原 啓, 加藤 雄一郎, 千田 裕美子, 宇津 正二, 望月 修
聖隷三方原病院産婦人科
【目的】当院における医学的介入により造精機能低下の可能性がある症例の精子凍結保存の実態と治療成績を検討することを目的とした.【方法】平成11年から平成22年までに医学的介入による造精機能低下の可能性があるため,精子の凍結を実施した25症例を対象とした.検討項目は年齢,原疾患,精液所見およびICSI後の妊婦転帰とした.【成績】平均年齢は29.0歳,原疾患は24例が悪性腫瘍で,残りの1例はウェゲナー肉芽腫症であった.凍結前の精液所見では平均精子濃度が7060万/ml,平均運動率48%,平均奇形率32%であった.疾患別では白血病症例が極めて不良な精液所見を示した.精子の融解後ICSIに供したのが2例あり,計3回の単胎妊娠が成立した.なお,凍結精子の破棄が5症例,20%に認められた.【結論】医学的介入により造精機能低下の可能性がある症例の精子凍結保存は,ほとんどが悪性腫瘍に対して行われた.疾患別では特に白血病症例で化学療法に依存し,極めて不良な精液所見を示した.このことから,男性悪性腫瘍の化学療法前に速やかな精子凍結保存を行うことの重要性が改めて再確認された.
関東連合産科婦人科学会誌, 50(3)
463-463, 2013
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