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第126回学術集会(平成25年10月26日(土),27日(日))
【一般演題】
腹腔鏡手術で術中開腹となった2症例の検討
石井 博樹1, 宮武 典子1, 野路 千智1, 宇田 優貴1, 杉山 太朗1, 呉屋 憲一1, 前田 大伸1, 村松 俊成1, 三上 幹男2
東海大学医学部付属八王子病院産婦人科1, 東海大学医学部付属病院産婦人科2
【緒言】腹腔鏡手術で術中開腹となった2症例の開腹に至った状況や術中合併症の有無などを検討した.【症例】症例1 55歳 1経妊1経産 7cm大の子宮筋腫を指摘され前医から手術目的で紹介.既往歴として35歳時に帝王切開,36歳時に急性虫垂炎で2回開腹歴があったが腹腔鏡下子宮全摘術の方針となった.術中所見として大網が腹壁数カ所と子宮に癒着していたため開腹に変更となった.その後は合併なく手術終了となった.手術時間2時間13分,出血593mg,合併症:なし.症例2 41歳 0経妊0経産 過多月経・重症貧血にて救急搬送となった.来院時Hb1.6g/dlまで低下,MRIで直径10cm大の粘膜下筋腫と両側内膜症性嚢胞を認めた.輸血を行い腹腔鏡下子宮全摘および両側嚢腫切除予定となった.腹腔内は卵巣と子宮後壁が癒着していた.癒着を剥離し嚢腫切除行ったが内膜症と筋腫のため子宮可動性は不良で視野の確保が非常に困難であった.膀胱剥離の際に膀胱損傷を起こしたが腹腔鏡下で修復した.癒着が強く尿管確認が困難であったが子宮に沿うように結合織を切除していった.しかし基靭帯手前まで切除した際に尿管の断端と思われる組織を認め開腹へと変更となった.開腹後癒着剥離し尿管確認し損傷ないことを確認して子宮全摘を行った.手術時間7時間17分(腹腔鏡4時間25分),出血2483mg,合併症:膀胱損傷【結果】症例1と2では術後癒着と内膜症による癒着の違いがあるがどちらも術野確保が困難で開腹手術に変更になった.症例2は合併症が発生してからの開腹への変更のため手術時間が長く,出血量も多かった.【結論】癒着などで十分な視野確保が困難な症例は早期の段階で開腹術への決断が重要である.
関東連合産科婦人科学会誌, 50(3)
475-475, 2013
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