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第126回学術集会(平成25年10月26日(土),27日(日))

【一般演題】
子宮筋腫の術中に生じた無気肺の原因が副鼻腔炎であった1例


高橋 英幹, 林 忠佑, 大西 美也子, 高田 眞一, 山本 樹生
日本大学産婦人科


【はじめに】術中の無気肺は偶発合併症であり,リスク因子がなければその程度は軽微であると認識されている.自験例は子宮筋腫の術中・術後に無気肺を発生し,原因が慢性副鼻腔炎であった症例である.その術中術後の経過を報告する.【症例】2G2P,47歳の女性.40歳時に慢性副鼻腔炎と診断され,47歳時からは嗅覚障害が出現したため,手術前日までの4か月間,ステロイド点鼻とクラリスロマイシン少量持続投与を受けていた.1ヶ月前から就労困難な下腹部痛が出現したため,子宮筋腫の診断で全麻・硬麻下に,腹式単純子宮全摘術を施行した.手術開始直後からSpO2が78%まで低下し,両肺野に雑音を聴取した.β刺激薬・アミノフィリン投与を行うも改善せず,SpO2が85〜92%が約5分持続したため,気管支鏡下で分泌物吸引を開始した.SpO2は96%に改善したが,分泌物は継続するため,抜管までの気管支鏡下での吸引を余儀なくされた.手術直後の胸部XPで右下肺に無気肺を認めた.分泌物吸引を続けたところ無気肺は消失し,5分後に呼吸は安定したため抜管した.病棟ではネブライザー(ビソルボン)を行ったが,14時間後に対側肺の無気肺が出現した.呼吸器内科・耳鼻科の診察では,慢性副鼻腔炎が原因と診断された.無気肺は38時間後に自然消失し,SpO2は99%を維持した.慢性副鼻腔炎に対しクラリスロマイシン・抗ヒスタミン薬・喀痰溶解剤・ステロイド点鼻を開始した.【結論】無気肺は偶発合併症であるが,リスクの把握と予防が重要であり,下気道の呼吸器疾患だけでなく,慢性副鼻腔炎を含めた上気道疾患の既往もリスクとなり得ることを経験した.


関東連合産科婦人科学会誌, 50(3) 478-478, 2013


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