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第126回学術集会(平成25年10月26日(土),27日(日))
【一般演題】
再発子宮平滑筋肉腫に対するパゾパニブの使用経験
秦 利衣, 三橋 暁, 楯 真一, 碓井 宏和, 生水 真紀夫
千葉大学医学部附属病院婦人科・周産期母性科
【緒言】子宮平滑筋肉腫に奏効する抗がん薬は少ない.2012年にキナーゼ阻害剤であるパゾパニブ(ヴォトリエント®)が悪性軟部腫瘍に対して承認された.これまでに当院では,4例の化学療法抵抗性再発子宮平滑筋肉腫に対して,パゾパニブ投与を行ったので,有害事象を中心に報告する.【方法】これまでにパゾパニブ投与が行われた4症例について,治療効果と有害事象を後方視的に評価した.【成績】いずれも組織学的に子宮平滑筋肉腫と診断され,手術・化学療法の後に化学療法抵抗性となった再発症例(51歳,54歳,54歳,67歳)であった.初回手術は4例とも完全切除であったが,術後4・6・10・13ヶ月間後に再発を確認した.その後,IEP(IFM,Epi-ADM,CDDP),GD(GEM,DOC),AI(ADM,IFM)などの化学療法が行われ,2レジメン以上に化学療法抵抗性を示した時点で,パゾパニブ投与(800mg/日,連日)が開始されていた.3ヶ月以上の投与が行われた3例の縮小率は,26%,26%,36%であり,いずれもSDと判定された.Grade(G)3以上の有害事象が1例(下痢)認められた.G2の有害事象は,高血圧4例,食欲不振3例,血小板減少1例,体重減少1例が認められた.4例中3例が,下痢(G3),体重減少(G2),血小板減少(G2)のため投与量減量(25-50%)が行われていた.【結語】化学療法抵抗性再発子宮平滑筋肉腫に対して,パゾパニブの奏効例を経験した.有害事象の点から本邦女性の至適投与量と,長期投与継続可能かの検証が必要と思われた.
関東連合産科婦人科学会誌, 50(3)
481-481, 2013
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