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<< 学会誌へ戻る 【緒言】異所性妊娠のうち卵管間質部妊娠の発生頻度は全卵管妊娠の2〜4％程度と稀である．今回我々は通常の卵管間質部妊娠と異なり，子宮角部だけでなく子宮円索・卵巣固有索にも腫瘤が及んだ稀な形の卵管間質部妊娠を経験したため，報告する．【症例】41歳，1経妊1経産．既往歴は特になし．続発無月経6週3日目，市販の妊娠反応陽性のため，当科を受診．受診時の所見：バイタルサインは安定．子宮内に胎嚢を認めず，右付属器周囲に25mm（6週相当）の胎嚢を認めた．血算・生化学検査では血色素量13.4g/dLをはじめ，明らかな異常なし．血中ヒト絨毛ゴナドトロピン（以下hCG）61460 mIU/mlであった．MRIでは子宮体部に密着した右付属器領域に胎嚢を指摘．以上から右卵管間質部妊娠が疑われたため，同日緊急開腹手術を施行．術中所見：右卵管峡部から子宮角部にかけてくるみ大の腫大を認め，子宮円索におよび，卵巣固有索が大部分一体化していた．このため，右卵巣固有索を切断せざるを得なかった．右卵管および子宮角部，子宮円索の一部を一括してくりぬく形で摘出した．病理組織診によって，卵管内の異所性妊娠であることが確認された．術後経過は良好であり，血中hCGは病日8日に1189 mIU/mlまで下降，病日9日に退院となった．【結語】卵管間質部妊娠自体，稀であるが，同側の卵巣固有索および子宮円索を巻き込む形で発育した異所性妊娠に対して，非典型的な手術方法で対処した．異所性妊娠については本症例の様な稀な手術所見を呈することがあり，臨機応変な対応が必要である． 関東連合産科婦人科学会誌, 50(3) 484-484, 2013 |
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