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第126回学術集会(平成25年10月26日(土),27日(日))

【一般演題】
重症妊娠悪阻症例に対するEDチューブの使用経験


田代 英史, 中島 義之, 丸田 佳奈, 高田 優子, 林 若希, 和田 真沙美, 草西 多香子, 諸岡 雅子, 井出 早苗, 渡邉 悠久美, 坂井 昌人, 正岡 直樹
東京女子医科大学八千代医療センター母体胎児科・婦人科


【背景】経口摂取が困難な重症妊娠悪阻症例に対する治療は,末梢血管からの輸液療法のみで症状改善がみられない場合,中心静脈高カロリー輸液が選択されることもあるが,中心静脈栄養では,カテーテル感染,血栓塞栓症,血気胸など約50%に合併症を伴うとされている.一方,経腸栄養は,体外から消化管内に留置したチューブを用いて経腸栄養剤を投与する方法であり,妊娠悪阻に対する使用の報告症例は本邦では少ない.今回我々は,重症妊娠悪阻の妊婦に対して,EDチューブを用いた経鼻十二指腸栄養により妊娠悪阻が速やかに改善した症例を経験したので報告する.【症例】32歳,1回経妊1回経産.(身長157cm,非妊娠時体重52kg,非妊娠BMI 21)自然妊娠成立後,つわり症状が増悪し妊娠7週に妊娠悪阻の診断で入院し,輸液療法を開始した(入院時体重43.5kg).妊娠16週を過ぎても,1日に4回以上の嘔吐を認め,Emesis Indexにおける評価でも重症の状態が遷延し体重も39kgまで減少したため,十分なインフォームドコンセントを行った後,上部消化管内視鏡を用いてEDチューブ先端を十二指腸水平脚に留置し,経腸栄養剤の投与を開始した.経鼻経腸栄養開始1日目から消化器症状は改善したため,11日目にEDチューブを抜去したが,経口摂取が可能であり,退院となった.その後外来において経過観察したが,消化器症状は増悪することなく,妊娠39週2日に陣痛発来し,3186gの男児,Apgar score 8/9点(1分値/5分値)を分娩し(分娩時体重56kg),産褥経過も順調であり,母児ともに退院となった.【考察】重症妊娠悪阻に対する治療として経鼻経腸栄養は合併症が少なく,有効な治療法となり得ることを示唆した.


関東連合産科婦人科学会誌, 50(3) 485-485, 2013


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