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第126回学術集会(平成25年10月26日(土),27日(日))
【一般演題】
当院で出生したLate Preterm児における短期新生児予後に関する検討
篠原 諭史, 笠井 真祐子, 奥田 靖彦, 平田 修司
山梨大学産婦人科
【目的】近年,妊娠34週以降(Late Preterm:LP)の早産の増加が著しい.新生児死亡のほとんどが妊娠35週以前に生じ,呼吸障害などの合併症は妊娠35週以降に減少するなどの報告から,妊娠34週までは積極的な切迫早産の治療を行っている施設が多い.今回我々は,LP症例における児の短期予後に分娩週数が与える影響を検討し,切迫早産の加療をいつまで行うべきか再度検討した.【方法】2010年4月から2012年3月までの3年間に当院で妊娠22週以降に出生した1467件の中で,子宮内胎児死亡,出生前に診断した胎児心奇形ならびに染色体異常を除いた妊娠34週0日〜妊娠36週6日までに出生した102症例を対象とした.母体背景や短期新生児予後について後方視的検討を行った.【成績】出生児体重の中央値は2372±335gであった.分娩週数は,34週11例,35週33例,36週59例であった.早産の理由は,1.前期破水41例(40.1%)2.自然陣発17例(16.7%)3.PIH14例(13.7%)4.母体適応11例(10.7%)5.常位胎盤早期剥離6例(5.8%)6.胎児適応(FGR・NRFS・臍帯下垂)13例(12.7%)であった.分娩様式は帝王切開が54.3%,Apスコア1分値が7点以下の症例は24例,NICU管理が必要となったのは42例ですべて妊娠週数とともに減少傾向を認めた.Apスコア5分値が7点以下の症例はなかった.また出生後の高ビリルビン血症および低血糖は週数とともに減少する傾向があった.さらに出生後の呼吸障害は妊娠36週以降で有意に減少した.【結論】今回検討したLP児において,呼吸障害は妊娠36週以降で有意に減少し,さらにその他の合併症は週数とともに減少していく傾向にあった.これらをふまえLP児では36週以降の分娩が望ましいと思われた.
関東連合産科婦人科学会誌, 50(3)
486-486, 2013
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