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第126回学術集会(平成25年10月26日(土),27日(日))
【一般演題】
ローリスク経産婦と年齢:高齢経産婦は難産か?
今井 公俊
今井産科婦人科クリニック産婦人科
緒言:第125回当学会で演者は,ローリスク妊婦に於いても高齢初産婦は若年初産に比して帝王切開が多く,分娩第2期が長く,出血量が多い事などを報告した.今回経産婦でも同じ事が当てはまるのか否かを検討してみる事にした.対象:2004年〜2012年の9年間に当院で満36週0日以降に単胎を出産した1回経産婦で,帝王切開既往妊婦は除外した.分娩時の年齢で35歳未満(若年群),35歳以上(高齢群)の2群に分けて後方視的に検討した.検討項目は,妊婦身長,体重,BMI,妊娠中増加体重,分娩時体重,分娩時BMI,分娩所要時間,帝王切開の有無,吸引分娩の有無,出血量,児の身長体重頭囲胸囲,胎盤重量,Apgar1分値,臍帯動脈血pH,Base Excess(BE)である.成績:若年群,高齢群にそれぞれ923人,303人が該当した.帝王切開になったのはそれぞれ12人,6人で適応は総て骨盤位であった.吸引分娩はそれぞれ15人,8人であった.帝王切開率,吸引分娩率に2群間に有意差を認めなかった.2群間で有意差を認めた項目は母体体重(若年群51.1±7.4kg,高齢群52.3±7.3kg,p<0.004),BMI(若年群20.47±2.68,高齢群20.82±2.77,p=0.01),妊娠中増加体重(若年群10.2±3.2kg,高齢群9.7±3.3kg,p=0.036),分娩第1期(若年群346±252分,高齢群330±265分,p=0.03),第2期(若年群20±23分,高齢群28±58分,p=0.003),臍帯動脈血pH(若年群7.35±0.071,高齢群7.33±0.076,p<0.001),BE(若年群-1.3±2.9,高齢群-1.8±2.9,p<0.001)であった.結論:1回経産婦では,年齢が上昇しても,帝王切開,吸引分娩,出血量の増加は認められなかったが,第2期は長く,臍帯動脈血pH,BEが低値なので注意を要すると考えられた.
関東連合産科婦人科学会誌, 50(3)
486-486, 2013
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