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<< 学会誌へ戻る 【緒言】膀胱腫瘍合併妊娠は極めて稀であり，血尿を性器出血と判断することや，血尿と判断しえても膀胱炎と診断することも多いとされる．今回，我々は妊娠31週に肉眼的血尿を主訴に来院し，経腟超音波検査により膀胱腫瘍と診断し，加療を行った1例を経験したので文献的考察を加え報告する．【症例】26歳，2経妊1経産．妊娠経過を長坂クリニックにて管理されていた．妊娠31週で肉眼的血尿のため同クリニックを受診し，経腟超音波検査により膀胱腫瘍と診断され当院に紹介受診となった．経腟超音波検査では膀胱壁より突出する20×13mm大の腫瘤を認めた．泌尿器科での膀胱鏡所見では後壁の乳頭状腫瘍を認め，また，尿細胞診ではClassIIIであった．腫瘍は肉眼的に悪性度が低いと推定されたこと，および胎児頭部により膀胱腔が狭小化していることから，胎児成熟後に分娩とし，産褥期に経尿道的膀胱腫瘍切除術（TUR-BT）を行う方針となった．妊娠36週に分娩誘発を行い経腟分娩となった．児は2636gの男児，Apgar score 1分値9点，5分値10点であり，母児ともに経過は良好であり，産褥7日目にTUR-BTを施行した．病理検査結果はnon-invasive papillary urothelial carcinoma，low grade with glandular differentiationであり，治療を終了とし，現在外来にて経過観察中である．【結語】妊娠中の血尿から膀胱腫瘍を想起することは困難であり，その診断および治療の時期を遅らせる可能性がある．経腟超音波検査により膀胱腫瘍を診断することにより，適切な管理が可能であることが示唆された． 関東連合産科婦人科学会誌, 50(3) 492-492, 2013 |
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